入浴あれこれ

さて、今回の話題は、「入浴あれこれ」と題した話題です。

温泉宿に泊まったりすると、必ずと言って良いほど「朝風呂」に入りますよね。
私もご多分に漏れず「朝風呂」は大好きです。
その「朝風呂」ですが、実は健康を脅かす「健康リスク」が潜んでいることはご存じでしょうか。
「起きてすぐシャワーを浴びる」「お風呂は夜ではなく朝に入る」など、「朝風呂」をしている人は少なくありません。
お風呂やシャワーで体を温めるから、「体によさそう」と思われがちですが、実はその「朝風呂」で、かえって心臓に負担をかけてしまっていることがあるのです。
では、シャワーも含めた「朝、風呂に入る人」が知らずにいる「健康リスク」とはどのようなことでしょうか。
多くのリスクが考えらるのですが、ここではそのなかの3つを紹介します。

【リスク1】油断すると「脱水症状」や「立ちくらみ」を起こします
入浴前と入浴後で注意が必要なのが「水分補給」です。
入浴中はかなりの汗をかくので、きちんと水分補給をしないと「脱水症状」を起こしてしまうからです。
外出するときなど、普段の生活ではペットボトルのお茶や水を持ち歩くなど注意する人も多いですが、入浴時は意外と見落とされがちです。
また、お風呂から上がった瞬間、ふっと「立ちくらみ」がしたという経験をされた方も少なくないと思います。
熱いお風呂に入ったり長時間湯船につかったりして、血圧が下がった状態で急に立ち上がると、脳に十分な血液が行きわたらず、立ちくらみのような状態になるのです。
とくに夏場のお風呂では、「脱水症状」と「立ちくらみ」になりやすいので注意が必要です。
これらは「朝風呂」に限ったことではありませんが、これから1日の活動を始めるという朝に、体に不調をきたさないよう十分気をつける必要があるといえますね。

【リスク2】「空腹時」は「めまい」も起こしやすくなります
「空腹時」にお風呂に入ることも「めまい」を引き起こしやすいのでNGな行為です。
なぜなら「空腹時」にお風呂に入ると、血圧が下がりやすくなるからです。
「空腹時」は「脱水状態」にもなりやすくなります。
血管内を流れる血液の水分量が少なくなることで、血管内圧である血圧が低下してしまいます。
血圧の低下は、体の上に位置する脳への血流不足を招きます。
この状態は「めまい」だけでなく「失神」も起こしやすいので注意が必要です。
朝から飲酒する人はほとんどいないと思いますが、これに関連して付け加えると、血圧が下がってしまうということでは「飲酒直後」もNGです。
アルコールには「血管拡張作用」があるからです。
「空腹時」や「飲酒直後」の入浴は、季節に関係なく注意しなければいけない1年中を通していえる注意事項です。

【リスク3】「朝風呂」は「ストレス」につながります
これまで「血圧を下げてしまう」ということで「朝風呂の入り方」の注意点を紹介してきましたが、「血圧の急上昇」も要注意です。
そして、これは「ストレス」にもつながるので、心臓に負担がかかります。
たとえば、とくに冬場は、朝の脱衣所や洗い場は寒く、「血圧が上昇」します。
続いて熱い湯船に入れば、力みと湯の熱さの刺激で「血圧が急上昇」してしまいます。
また、夏は暑いからと冷たいシャワーを浴びがちですが、寒冷刺激は「血圧を急上昇」させやすいので注意が必要です。
つまり、「朝風呂」の入り方ひとつで、心臓に「やさしく」もなり「大きな負担」にもなるということです。
「朝風呂」の入り方には、行動一つひとつに気をつける必要がありますね。

さて、ここまでは朝の入浴やシャワーでのリスクをお伝えしてきましたが、入浴そのものについては悪者ではなく、注意をしていけば大変効能のあるものです。
ここからはお風呂の健康効果について触れてみましょう。
最近になって特にお風呂の健康効果が明らかになってきました。
その一つは入浴による短期的な心身への影響です。
私たちは経験的に、入浴することで疲れが取れることや、良く眠れること、気持ちが良いことなどを感じてきました。
実際に医学的研究でも、浴槽に浸かることで疲労が軽減し、良い睡眠が取れるということが報告されてきています。
また入浴でリラックスの脳波が観察されるとか、ストレスホルモンが減るということなども明らかになっています。
このような入浴の効果の多くは、お風呂が持つ「温熱作用」によるものと考えられています。
お風呂に入るとシャワーとは異なり、体が温まって体温が上がってきます。
40℃以下の比較的ぬるいお湯に入ると体温が程よく上がり、血管が広がって血液の巡りが良くなります。
血流で全身の疲労物質が取り除かれ、栄養分が届けられます。
このことで効率良く疲労が取れるのです。
また、程よく体温が上がることが副交感神経を刺激して、良い睡眠にもつながりリラックスをもたらしてくれます。
これらはシャワーでは得られない効果なので、ぜひお風呂に入っていただきたいと考えています。

みなさんも入浴のリスクを知り、また効能について理解をし、良いところを実践して、人生100年時代を最期まで満喫できる生活を手に入れてくださることを念じております。
健康あっての人生です。
正しい入浴で、健康寿命を延ばしてwell-beingを叶えましょう!