人生に起こる「まさか」を克服する方法

さて、今回の話題は、人生に起こる「まさか」を克服する方法についてのお話しです。

昔から結婚式などでよく使われていたスピーチに、「人生には三つの坂があります。上り坂、下り坂、そして、まさか」です。
という人生訓があります。

夫婦生活では楽しい時もあれば辛い時もあります。どんな時も二人でお互いを支え合っていきたいものです。そして、もしものことが起こったとしても、そこは夫婦で力を合わせて乗り切ってください・・・、という意味を込めてお話しされていました。

人生は良いことも悪いことも、予期しないことも突然やってきます。
万事が好調で何をやっても上手くいく、毎日が幸せで笑顔が止まらないといった「上り坂」。
不調に陥って辛く、何もかもが上手くいかずに悪いことが続く「下り坂」。
でも良いことばかりは続かないし、悪いことばかりも続かない。
上り坂も下り坂もどちらもいつまでも続く訳ではありません。

そして、ある日突然思いもよらないことが起きてしまう「まさか」です。

「人生には三つの坂がある」という言葉は誰が言い出した言葉かはわかりませんが、一説ではこの言葉のルーツは仏教の教えで、親鸞聖人が唱えたものであると言われています。
またこの言葉は、松下幸之助さんや元首相の小泉さん、そしてNHK の大河ドラマにもなった戦国武将の「毛利元就」など、古今東西多くの方々が使っておられた言葉としても有名です。

例えば、松下幸之助さんの「道をひらく」より紹介いたしますと、

自分には、自分に与えられた道がある
広い時もある
せまい時もある
のぼりもあれば、くだりもある

思案にあまる時もあろう

しかし、心を定め
希望を持って歩むならば
必ず道はひらけてくる
深い喜びも
そこから生まれてくる

さすが「経営の神様」、名言ですね!
おそらくは、ほとんどの高齢者の方がこれまで、この「人生の三つの坂」を経てこられ、中でも「まさか」は大なり小なり最も人生に影響を与えた出来事ではないでしょうか。

山あり谷ありの人生の中で、予想もしていなかった出来事が起きてしまう、この「まさか」は、良いことも悪いこともあるようですが、わたしたちには、やはり良くない「まさか(魔坂)」が人生における大敵です。

まさかわたしが・・・、まさかあんなこと(事故や自然災害など)が・・・
まさか会社が・・・などに使われることが多いようです。

正直なところ、できればもうこのような「まさか」には出会いたくありません。しかしながらあえてここで、もし、まさかのピンチに陥った時、まさかの受難を克服する方法、ヒントとなる話題(名言)を三つ紹介させていただきます。
なぜ、あえてこのような話題を取り上げたかと言いますと、この「まさかの時のわたしたちの行動や考えが、その後の人生をより良く生きることができるかどうかの鍵を握っている」と言われているからです。
でもみなさま、ここからの内容は重く受け止めず気軽にお読みくださいね!

1.まずは、まさかへの不安への考え方、対処法です。
戦国時代の武将で、「三本の矢」の逸話でも有名な毛利元就は、3人の息子に、この「まさか(魔坂)」への処し方を人生訓として与えたと言われています。
今に伝わる話として、先々、起こるやも知れぬ不幸ばかりを考えておっては、そのことの方が不幸じゃ、「今できる最善の策は何か」、と考えようとする気の持ち方が大切である、と諭されていたようです。

人間は誰しも先の見えないことに不安を感じます。特に日本人は、世界で有数の不安心が強い国民と言われていますので、気の持ち方が大切です。
「こうなったらどうしよう」「こんなことが起きたらどうしよう」などと、まだ起きてもいない未来について不安を抱きすぎないように、逆にポジティブな考え方も必要です。

2.次は、まさかのピンチをチャンスに変える克服方です。
「幸せの入り口屋」 初代当主 西亀 真(にしかめ まこと)さんが、講義で使われている合い言葉「ピン・チャン・チェンジ」の思考法が秀逸です。
西亀さんは、治癒不可能と言われる目の難病「網膜色素変性症」を発症され、47歳の時に視力を失われました。
病が進行するに連れ、視力視界が徐々に失われていく恐怖に日々苛まれ失意のどん底に陥るも、その恐怖を独自の思考法で克服され、関西カウンセリングセンターで資格を取得、現在は盲目のセラピストとして活躍されています。

活動は、全国各地での講演活動にとどまらず、18期に及ぶ「心眼塾」を開講されており、わたし自身も17期生として入塾させていただきました。
この心眼塾では、西亀さんが盲人になったことで見つけられた、不測の事態「ピンチの考え方や克服方」などを教えていただき、6回のワークを通して学びと共に新たな仲間ができるなど、老若男女問わずお勧めのセミナーです。

失意のどん底から、計り知れない苦難の状況をどのようにすれば乗り切っていけるのか?
西亀さんは常に「障がいを壁と思うか、扉と思うか、それは本人次第」です。と述べられています。
詳細は、著書「幸せの入り口屋 いらっしゃいませ」(ごま書房新社)で拝見することができます。
また心眼ソングライターとして、CD「神様からもらったパズル」もリリースされていますので、是非ともお聴きいただければと思います。(「幸せの入り口屋」公式HP、YouTubeでも視聴することができます)

3.最後は、まさかの時に唱えると心が軽くなる名言についてです。
アニメでも親しまれている一休さん。その一休さん由来のエピソードの一つとして広く知られた、ある名言をご存じでしょうか。

一休さん(一休宗純禅師)は、室町時代を代表する臨済宗大徳寺派の僧侶でしたが、亡くなる直前に弟子たちに、「この先どうしようもなくなって大変困ったときにこの手紙を開けなさい」と、一通の手紙を残し、亡くなられたそうです。
それから数年後、お寺が大変重大な危機を迎え、わらにもすがるような状況に陥りました。その時に一人の弟子が一休さんの遺した手紙のことを思い出し、封を開けてみたところ三つの言葉が書かれていました。

大丈夫、心配するな、何とかなる。

するとどうでしょう。驚くことにこの言葉を皆で読んだ後、お寺は見事、危機的な状況を無事に乗り切ることができたそうです。

87歳という当時としては非常に高齢の一休さんでしたが、一休という名前の由来にもなったという、ある歌「人生は、この世からあの世までの間の一休み」のごとく、長いようで短いものなのかも知れません。
一休さんの遺した名言を唱えると、これからの人生への不安も消し飛んでしまいます。
高齢者になると、上り坂、下り坂、まさか、の三つの坂、人それぞれの状況は異なりますが、「まさか」の時には是非、「大丈夫、心配するな、何とかなる」と信じ、心の中で繰り返し念じてみませんか!