更年期を幸年期にしましょう!

さて、今回の話題は、「男女の更年期」の性差で異なる自覚症状と対策行動の実態調査についてのご紹介です。

「更年期」を自覚して前向きに対策行動を行うことを、「更に(さらに)」をもじって「幸い(さいわい)」に漢字を置き換えて『幸年期』と言うそうです。
この『幸年期』に改善緩和予防行動と呼ばれる対策を取ることが、人生100年時代を幸せに生きる「ウェルビーイング」の礎になりうるところがとても重要な部分と言えるのです。

一般社団法人幸年期マチュアライフ協会(以下、幸年期マチュアライフ協会)と日本インフォメーション株式会社(以下、日本インフォメーション)は、30~60代男女を対象に、性差で異なる更年期の症状・意識・症状改善緩和のための更年期の向き合い方や行動実態を把握することを目的にアンケートを行い、その結果を共同調査・分析し、社会への影響や50代以上の魅力的な世代を指すマチュア世代の幸福度の違いを明らかにしました。

今回の調査でのポイントは、『性差に加え、「物事の捉え方」と「更年期への覚悟」の違いで、更年期に対する改善緩和予防行動が異なってくる』という点で、更年期の自覚がある層では「改善緩和予防行動をしている」層は64.7%で、「改善緩和予防行動をしていない」層は35.3%、更年期の自覚がない層では「改善緩和予防行動をしている」層は32.3%、「改善緩和予防行動をしていない」層は67.8%となっていて、構成比率が真逆になっています。
また調査を進める中で、更年期の自覚があって、改善緩和予防行動をしている層と、していない層では、「幸福度」に差があることも分かりました。

改善緩和予防行動を行う層では、男性は社会での活躍、女性は利他的な活躍に献し、人生に対してポジティブ思考な『幸年期』傾向にあります。
また、楽観性、感謝の気持ち、利他的、家族との良好な関係といった多幸感につながる項目でハイスコアを出し、「更年期を心地よく過ごすため、今より一歩前へ踏み出すとともに、改善緩和予防行動を積極的に取ることで、今を『幸年期』に変換しよう!」と前向きな捉え方ができ、男女ともに互いの更年期について関心を持ちながら、ウェルビーイングを叶えるために取り組んでいるとみられます。
また、更年期の自覚はないが改善緩和予防行動をしている層は、「更年期かもしれない」「更年期になるかもしれない」という覚悟があり、来るべき更年期に対して改善緩和予防行動をしていると捉えることができ、女性では「実年齢よりも若く見られたい気持ち」、男性では「年相応の健康・体力維持・美しさを追求したい気持ち」で行うといった『幸年期』改善緩和予防行動傾向が見られました。
この層は、更年期の症状はあっても自覚がない「控年期」なので、気付きを促すことでより一層の改善緩和予防行動に繋がると考えられます。

一方で、更年期の自覚があるのに改善緩和予防行動をしていない層の中では、更年期の「ひどい症状を我慢している」「症状はあるが我慢できる」といった『我慢の更年期』を過ごしている層が7割も存在しているのが特長です。
改善緩和予防行動をしておらず、更年期への覚悟と備えがないので、不安が募って不調が増していることも分かりました。
この層に関しては、更年期に対するあきらめが見える「降年期」なので、まずは「更年期だから仕方ない」「更年期は我慢」と諦めさせないことが必要といえるでしょう。
いずれにせよ、「更年期」への自覚と覚悟を持ち、『幸年期』を過ごすための改善緩和予防行動へ1歩踏み出すことが、「我慢の更年期」を終わりにすることにつながり、「ウエルビーイング」への礎となることが分かりました。

このアンケートの調査概要は、以下の通りです。
■調査期間:2022年12月9日~12日
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:30歳~69歳の男女2000名(男性:1000名+女性:1000名)
となっています。

それでは、項目毎の分析結果の一部を抜粋して見てみましょう。

更年期の自覚があるのに、何らかの改善緩和予防行動をおこしていない層については、やはりカラダやココロの調子が優れないと「毎日の不調」を感じている方が多数いることが分かりました。
特に男性は、症状がひどくても「我慢の更年期」と見限っていて、自覚があっても改善緩和予防行動をしていない層の男性が最も我慢しているといえるでしょう。

自覚があって何らかの改善緩和予防行動をしている層ほど、自分の更年期、他性の更年期にも関心を持っていますが、自覚のない層の男性は更年期の情報・知識には乏しく、このことが「我慢の更年期」の男性を増やしている結果につながっているのではないでしょうか。
男女互いの更年期の理解・関心が「我慢の更年期」を脱する機会になると考えられます。

「更年期による不調」の生活への影響は、男性は改善緩和予防行動をしている層ほど、配偶者・パートナー、家庭への影響を心配する「思いやり」傾向があり、女性は改善緩和予防行動をしていても「人に会いたくない・ひきこもる」「誰にも相談できずに抱え込む」といったいわゆる「こもり」傾向になっているとの結果が出ました。

改善緩和予防行動をしている層では、男女とも「定期的な医師の診断・治療・相談」を受けている率が高くなっています。
特に男性は高く、かもしれない不安に備え予防意識が高くなっているといえます。

まとめとして、皆さんに意識していただきたいことは、この実態調査の結果を受けて男女とも更年期をどう捉えるのか、更年期に差し掛かったり、入ったりしたとの自覚の有無が、それから以後の各々のウェルビーイングの実現に大きく影響を及ぼすものだということです。
繰り返しになりますが、「更年期」を自覚し前向きに改善や緩和対策といった予防行動を行うことで、人生100年時代を幸せに生きる「ウェルビーイング」の礎が築けることに繋がっていくといえるのではないでしょうか。
これを機会として、今一度ご自身やパートナーの更年期対策の確認をされることも良いかも知れませんね。
そして辛いと思う「更年期」を、改善緩和予防行動をすることで「幸年期」へと変えて行こうではありませんか!