健康寿命と平均寿命のギャップをゼロに!

さて、今回はQOLジャパンとして取り組んでいる「健康寿命と平均寿命のギャップをゼロに!」についての話です。

厚生労働省が令和3年12月に発表したデータによると、日本の現在の健康寿命は男性では72.68歳、女性では75.38歳です。
これによって明らかになったのは、健康寿命と平均寿命のギャップは男性9年、女性12年で、この期間・年数は健康問題により日常生活に制限が生じるとともに、要介護・要支援が必要だということにつながります。

平成13(2001)年から令和元年(2019)年にかけて健康寿命は延伸していますが、それと同時に平均寿命も延伸しており、両者のギャップは減少していません。
このギャップを小さくすることは、高齢者の生活の質(QOL)を改善したり、介護負担・介護離職を減らしたり、社会保障制度を持続させたりするうえで大変重要なことだと言えるでしょう。

介護予防には運動が不可欠です。
要介護・要支援の原因で多いのは認知症、脳卒中、高齢による衰弱ですが、いずれの予防にも運動はとても有効です。
もし全ての日本人が適切な運動習慣を身につければ、健康寿命と平均寿命のギャップはゼロになり、高齢者をはじめあらゆる人々のQOLは高まって介護負担・介護離職は過去のものになり、社会保障制度は永続できるはずです。

しかし、厚生労働省が行った国民健康・栄養調査では運動習慣のある人(30分以上・週2回以上の運動を1年以上継続)は男性の33%、女性の25%と、100%には遠く及びません。
また、スポーツ庁の調査でも、スポーツを週1回以上行っているのは成人の56%、週3回以上行っているのは30%でした。
このことからも、QOLの高い健康長寿社会の実現には、さらなる努力が必要なのが現状です。

運動習慣改善の意思については「関心はあるが改善するつもりはない」者の割合が最も高く、男性23.9%、女性26.3%となっていて4人に1人は「改善するつもりはない」との結果が出ています。この方々の意識改革をして運動習慣を身につけていただくことで底上げを図る必要があると言えるでしょう。

この調査はコロナ禍によって令和2年、3年と行われておらず、コロナウイルスへの感染予防のため家から出ないで引きこもっている方が増加していることが運動習慣にどのような影響を及ぼしているのか、来年以降の調査結果に注目したいところです。

健康寿命を平均寿命に近づけることは、それだけ皆さんの日々の生活でやりたいことを計画性をもってやり続けることに繋がるため、フィジカル的な健康とともにメンタル的な健康を合わせて獲得できます。

QOLジャパンでは今後もメルマガなどで健康寿命延伸の働きかけを続けていくとともに、健康寿命に関するタイムリーな話題があればどんどん発信していきたいと考えています。

読者の皆さんも、周りの方を巻き込んで健康寿命を平均寿命に近づける取り組みをなさっていただければ幸いです。