肩こり・腰痛から解放されるとQOL(生活の質)や幸福度が高くなる

さて、今回は「肩こり・腰痛から解放されるとQOL(生活の質)や幸福度が高くなる」というお話しです。

肩こりや腰痛・ひざ痛、五十肩などはシニアにはよくある症状で、そのツラさは多くの方が経験されているのではないでしょうか。

厚生労働省が毎年実施している調査に、「国民生活基礎調査」という調査があり、3年に1度行う大規模調査では、「健康」「介護」「貯蓄」に関する事項についての調査が行われています。

令和元(2019)年の調査結果によりますと、世帯員の健康状況 1.自覚症状の状況では、病気やけが等で自覚症状のある者(有訴者)は人口千人当たり、302.5(この割合を「有訴者率」という。)となっています。

そこで、最も気になる症状別の状況をみてみますと、男性では「腰痛」での有訴者率が最も高く、次いで「肩こり」、「鼻がつまる・鼻汁が出る」の順になっています。その他では、高齢層の「頻尿」も目を引きます。
又、女性では「肩こり」が最も高く、次いで「腰痛」、「手足の関節が痛む」の順となっていて、若齢から中高齢にかけては「頭痛」も上位に含まれています。
そして驚くことに、この状況は20年間変わらず、順位に変化はないとのことです。

この「国民生活基礎調査」の対象は全国の世帯及び世帯員が対象で、世帯票及び健康票については、無作為に抽出された世帯(約30万世帯)及び世帯員(約72万人)を対象にした大規模なものですので、この調査結果から見ても、多くの日本人を悩ませている症状が、「肩こり・腰痛」であることがお分かりになるかと思います。
まさに国民病ですね!

実はわたくしごとですが、コロナ禍においてリモートワークが多かったせいか、今年に入りお尻から太ももの裏あたりが痛くてまいってしまいました。
情けない話しですが、少し身体のどこかが痛むだけで大事(おおごと)に感じてしまいます。

以前には、突然激痛が走るぎっくり腰になったこともありましたし、五十肩、ふくらはぎの靱帯を損傷したりと、ひととおりの経験は致しました。
いずれの場合も痛みは直ぐには治まらず、数週間から数ヶ月にわたり、日常生活に支障をきたして大変でした。

さて今回、わたしがとった行動はといいますと、
まずはインターネットで、「お尻から太ももの裏あたりが痛い」のは?と、検索し、原因や症状名、どうすれば良いか?などを調べてみました。

そして数日の間、様子見をしておりましたが痛みは治らず、これはどうしたものか?と思案したあげく、勤務先に近く、口コミ点数の良い整骨院へ予約して行くことにしました。
施術をしていただいた柔道整復師の先生は、「姿勢の悪さなどで腰に負荷がかかり、それが原因で痛みがでている」とのことで、継続的な根本治療を勧められました。
どうしようか迷ったのですが、保険適用でも結構な治療費が継続してかかることもあり、今回のみ、とりあえず保険適用の申請を行い、様子をみることにいたしました。

それから次に、自宅近くの整形外科医院へ行き診てもらうことに致しました。
痛みの原因を調べるためのレントゲン検査を行い、痛みを緩和する薬(ロキソニン)を処方していただきました。
受診の結果、今回の症状は「坐骨神経痛」のようでした。

しかしながら、ツラいしびれや痛みはなかなか治まりません。
併行して自宅では、YouTubeで「坐骨神経痛改善のためのストレッチ」などの動画を見て、負担を掛けすぎない程度にいくつか試してみました。

そうこうしているうちに数ヶ月が経ち、知らず知らずのうちに痛みも少しづつ治まっていきました。
わたしの場合はだいたい、急に起こる腰痛や下肢の痛みはこのような経緯をたどっては治まっていくようです。(日にち薬とでもいうのでしょうか?)
今回のわたしの行動は良かったのか悪かったのか? 良くわかりませんが、とりあえず一件落着です。

さてここで余談ですが、ご参考までにある出来事もご紹介したいと思います。
数ヶ月後のこと、わたしの所属している健康保険組合の事務委託先から一通の封書が届きました。
そこには、「柔道整復師(整骨院・接骨院)の適正な受療について」と題した書面が入っており、次のような文面が記載されておりました。

※今回は理解を深めていただくため、「整骨院・接骨院の正しいかかり方」のリーフレットをご案内させて頂きます。
「柔道整復師は医師ではないため、その施術には健康保険が対象となる場合と対象外になる場合があります。主に打撲や捻挫、骨折、脱臼などは健康保険の対象となりますが、単なる肉体疲労や肩こりなどの場合は対象外となり全額自己負担となります。
 同封の「適正な療養費を申請するための3つのポイント」をご一読の上、健康保険が使える範囲等を再度ご確認頂き、適正受診にご協力をお願い致します。治療内容について健康保険組合よりお尋ねすることがあります。
といった内容(中略)でした。

察するに日本は今、超高齢化社会となっていますので、医療費の増大で国庫が圧迫されないように療養費の適正化を図らねばならず、不正請求などを無くしていこうとしているようです。
わたくしが今回、施術をしていただいた柔道整復師(整骨院)は、保険適応できるということでしたが、本来、坐骨神経痛などは日常生活の悪い姿勢や癖が原因の慢性症状のため保険は適用されないようです。

肩こり・腰のこりや痛みの多くは、主に筋肉への過剰な負担による血行不良(筋肉疲労)が原因で起こります。
負担をかける主な原因は、悪い姿勢や一部の筋肉だけを使う動作にあります。
日常生活の中で、何気なくしている悪い姿勢や生活習慣、ストレスが、肩こりや腰痛を引き起こす原因となっているのです。

ですので、まずは痛みが出ないよう、その原因を取り除くための日頃からの「予防」が大事です。下記に、「腰痛予防・気をつけたい動作」について、まとめてみましたのでご覧ください。

① 腰に負担をかけない正しい姿勢(良い姿勢)を心がける。
・(良い姿勢)あごを引く、背筋を伸ばすなど。
・(悪い姿勢)猫背、背もたれに寄りかかるなど。
② 日常の動作に気をつける。
・中腰、前かがみなど、不自然な姿勢をなるべくとらないようにする。
・同じ姿勢を長時間とらないようにして、30分に1回は、腰を反らしたり体を伸ばすなどのストレッチを行う。
・急な動作、腰の不意なひねりを避け、動作時は視線も動作に合わせる習慣をつける。
・ストレスをためないように、入浴などで気分転換を図り、心身ともにリラックスする。
・腰や首に負担のかからない自分に合った適正な寝具を使用する。
③ 日常のすきま時間には、体操やストレッチを取り入れ、体の柔軟性を保つとともに、痛みがないときは適度な運動で筋力を保つ。

肩こりや腰痛、ひざ痛などの原因と対処法は一人ひとりそれぞれで異なります。
自分に合ったやり方で、適切な対処をしていただくことが一番です。

最後になりましたが、「こり」や「痛み」は身体と心が発するSOS、とも言います。
ですので、違和感に気付いたり自覚症状があった場合は、ツラくなるまで我慢をせず、早めの対処が必要です。

腰痛などの原因には様々な疾患が関与しており、疾患によっては、様子見をしているうちに病状が進行してしまう可能性もありますので、まず速やかに医療機関に受診する必要があります。

ここ数年にわたるコロナ禍で、世界中で生活様式が大きく変化しました。
リモートワークなどの在宅勤務の増加や自粛生活による運動不足もあり、身体の不調を抱える方も増加しました。
ですが、大半の方は、痛みがあっても様子見などでついつい放置したままにしてしまいがちです。

たかが肩こり、たかが腰痛と放置せず、早めに自分に合った適切な対処をいたしましょう。
きっと、QOL(生活の質)や幸福度が高まること間違いなしです。