幸せホルモンの増やし方

さて、今回は読者の皆さんに幸せになっていただこうというお話しです。

幸福感は脳内ホルモンと呼ばれる神経伝達物質の働きによってもたらされます。
では、その幸せホルモンと呼ばれている脳内ホルモンには種類があるのをご存知でしょうか。
今回は「ハッピーホルモン」と称されている伝達物質の中で代表的な「セロトニン」「オキシトシン」「ドーパミン」の3種類についてご紹介します。

それでは、色々な幸福感についてから。
私たちは様々な場面で幸福感を感じます。
その時、脳内ではどのようなことが起こっているのでしょうか。

・今日もがんばろう!というポジティブで前向きな気分
⇒「セロトニン」的幸福:心と体の健康を支えてくれます。

・家族や友人、恋人などと一緒にいて楽しいなと感じる時
⇒「オキシトシン」的幸福:つながりや愛情などをもたらしてくれます。

・目標達成した快感
⇒「ドーパミン」的幸福:成功や報酬獲得といった快楽です。

その他、好きなものを食べたときや熱めの湯船に浸かったとき、ランナーズハイで気分が高揚している時は、「エンドルフィン」という脳内物質によって幸福感がもたらされます。

では、個別の「ハッピーホルモン」について深掘りしてみましょう。

先ずは「セロトニン」です。
体内時計を整えるために非常に重要な脳内ホルモンが「セロトニン」です。
「セロトニン」には、不安感を和らげて精神を安定させる働きがあります。
朝目覚めたときに「今日もがんばろう!」といった、ポジティブで前向きな気分をもたらしてくれます。
分泌が不足すると、行動がイライラしたり落ち着きが無くなったりして、衝動的、攻撃的になったり、また、うつ病を発症させたりします。
また、「セロトニン」は、睡眠を導く「メラトニン」というホルモンの材料にもなります。
この「メラトニン」は、睡眠中に免疫力を高めたり、強い抗酸化作用によって体を守ったりします。
「セロトニン」は、心と体の健康の基本となるものです。
昼夜逆転生活や不規則でバランスの悪い食生活など、生活習慣が乱れることによって「セロトニン」の不足を招きやすくなりますので要注意です。

「セロトニン」の分泌UP方法
・タンパク質をとる
アミノ酸の「トリプトファン」が「セロトニン」の材料になっているため、肉や魚、大豆製品などからタンパク質をしっかりとりましょう。

・朝は太陽の光を浴びる
朝、太陽の光を浴びることで、脳の視交叉上核という部分に刺激が伝わり、「セロトニン」の分泌が促されます。
毎朝同じ時刻に太陽の光を浴びることが重要ですので、休日だからといって寝坊していると体は不調を招きやすくなります。

・リズム運動
朝に、リズムを刻むウォーキングやサイクリングといった運動をすると開始約5分で「セロトニン」の分泌が活性化されて、20~30分でピークを迎えます。
そのため、リズム運動は、20~30分継続して行うのがおすすめです。

次は「オキシトシン」です。
愛情ホルモンとも呼ばれており、分娩時に子宮の収縮を促すことや乳腺を刺激して母乳の分泌を促す働きがあることから、女性の出産期に必要なホルモンとして知られてきました。
近年では、この「オキシトシン」が老若男女のストレス状態を軽減させ、不安や心配などを緩和させてくれるなどといった働きがあることが分かってきました。
「オキシトシン」が分泌されると、ストレッサーに過剰に反応していた脳をなだめて平常の状態に戻したり、脳の疲れを癒したり、気分を安定させるなどの作用があります。
また、「オキシトシン」が十分に分泌されていると「セロトニン」の分泌も増えて、相互作用によりストレス緩和につながりますし、愛情や人とのつながりなどがあることで精神が安定します。

「オキシトシン」の分泌UP方法
・スキンシップを図る
⇒家族やペット、パートナーなどとのスキンシップは、「オキシトシン」が分泌されるといいます。

・タッチケア
⇒家族やペット以外でも、マッサージなどで分泌が促進されるといいます。

・グルーミング
⇒人が一箇所に集まってコミュニケーションを楽しむことグルーミングといい、コミュニケーションを通して分泌が促されます。

最後に「ドーパミン」です。
「ドーパミン」は快楽物質とも呼ばれていて、楽しいことをしている時や目標を達成したとき、褒められたときなどに分泌されます。
やる気を出してくれるのも役割の一つです。
ある行為で「ドーパミン」が放出されて快感を得ると、脳がそれを学習して、再びその行為をしたくなります。
さらに大きな快楽を得ようとして努力をするようになります。
しかし、それが仕事や勉強といった自分にとってプラスに働くものであればよいですが、依存症や中毒となってしまうことがあります。
例えば、パチンコ依存症、買い物依存症、ゲーム依存症、アルコール依存症などがあげられます。

「ドーパミン」分泌の注意点
「セロトニン」や「オキシトシン」による幸福が土台となってこそ「ドーパミン」的幸福が最高の幸福となります。
不規則な生活で無理やり仕事を頑張って目標を達成したとしても、うつ病や依存症、家庭崩壊になってしまっては幸福とは言えませんね。

「セロトニン」⇒「オキシトシン」⇒「ドーパミン」という手順を踏むことによりQOLの向上が図られると共に、ひいてはQOLジャパンが提唱している各々のwell-beingを叶えることが出来るのではないでしょうか。
読者の皆さんも、個々の幸せホルモンの特性を知り、日頃の生活においてどうすれば分泌UP出来るかに気をつけていただければ幸いです。(ま)