地球環境3択問題 Part2

さて、今週は、地球環境問題について知っていただくための3択クイズの後半戦です。
出題は5問です。
ではスタートしましょう。
答えと解説は前回と同様問題の後ろににあります。

■Q6 日本に生息する生物のうち絶滅危惧種は?
(1)約2600種類 (2)約3700種類 (3)約4500種類

■Q7 「発電の安定性」で、他より劣る再生可能エネルギーは?
(1)水力 (2)バイオマス (3)太陽光

■Q8 伐採などにより1990年から25年間で消滅した世界の森林面積は?
(1)日本の国土と同じ (2)日本の国土の3倍強 (3)日本の国土の約10倍

■Q9 断熱性が一番高いものは?
(1)鉄 (2)木 (3)コンクリート

■Q10 地質学的遺産の保護・振興を目的に認定される地域は?
(1)世界自然公園 (2)ユネスコ世界ジオパーク (3)世界自然共生圏

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では、ここからは正解と解説をします。

■A6 絶滅の恐れのある野生生物の種の一覧は「レッドリスト」と呼ばれ、環境省や非政府組織(NGO)などが作っています。
動物では哺乳類、鳥類など、植物では藻類、菌類など分類ごとに整理され、環境省が昨年公表した「レッドリスト2020」では、絶滅危惧が40種増え、合計3716種となっています。
魚類、サンゴ類など絶滅の恐れのある海洋生物のレッドリスト(17年公開)と合わせると3772種となります。
回答では(3)の約4500種を選んだ人が男女とも半分前後を占めました。
一方、世代別で正解率が最も高かったのは20代の43%でした。
特に20代女性は47%の高い正解率でした。
<正解は(2)>

■A7 選択肢はすべて再生可能エネルギーですが、気象条件や時間帯などの制約があるものと、安定供給が見込めるものの違いを理解しているかがポイントだと言えます。
太陽光発電は天候で出力が変わってしまうため、他の電源との組み合わせが必要となります。
今後は、家庭用畜電池の更なる高性能電池の開発や送配電網の強化が重要と言えるでしょう。
正解率が最も高かったのは年代別では60代の41%で、最も低かったのは40代の26%でした。
バイオマスを選んだ人が52%と半分を超えていました。
バイオマス火力は間伐材などを燃料にしています。
必要十分な量の間伐材確保が課題となっていますが、燃焼による発電効率は比較的安定しています。
<正解は(3)>

■A8 世界の陸地面積の約3割を占める森林が地球温暖化や都市開発・開墾などの影響で徐々に少なくなっているのが現状です。
2019年の「こども環境白書」によると、1990年からの25年間で日本の国土の3.4倍にあたる約1億2900万ヘクタールの森林がなくなってしまいました。
森林は二酸化炭素(CO2)を吸収する大きな役割を担っています。
近年では南米アマゾンの熱帯雨林が違法伐採や畜産、採掘などにより破壊され、オーストラリアなどでは干ばつなどが原因の森林火災が発生しています。
生物多様性の確保や先住民の権利保護の観点からも、森林保全が急務となっています。
<正解は(2)>

■A9 熱の伝えやすさを示す「熱伝導率」をみると、木はコンクリートと比べて約11分の1、鋼材と比べて約480分の1です。
熱を伝えにくく、自然の断熱材とも言えます。
脱炭素社会の実現に向け、建物の断熱性強化は大きなポイントとなります。
長野県などでは保育園や記念館といった公共施設など都市インフラでの木材の利用が始まっています。
回答ではコンクリートを選ぶ人が497人と半分を占めました。
正解率が最も高かったのは60代の47%で、最も低かったのは20代の28%となっています。
<正解は(2)>

■A10 これまで大地の上に広がる生態系の中で人類は生活し、文明を育んできました。
山、河川、丘陵など、普段は何気なく接している景色が何千万年、何億年という年月をかけてつくられたことに思いを巡らせれば、人間もその一部だということがわかります。
ジオ(大地)とパーク(公園)を組み合わせた造語であるジオパークは、地球の見どころとなる場所について多くの人が学び、地域の素晴らしさを伝えると共に、人々の暮らしを守るための活動を行っています。
国内には日本ジオパーク委員会が認定した「日本ジオパーク」が2020年4月時点で43地域あり、洞爺湖有珠山(北海道)、島原半島(長崎県)など9地域が「ユネスコ世界ジオパーク」に認定されています。
<正解は(2)>

さて、正解率はいかがでしたか?
3択なので消去法で考えれば簡単でしたとおっしゃる方もおられるでしょうし、正解が意外な答えだったので驚いたという方もおられるでしょう。
今回のクイズをスタートとして、改めて地球環境問題の今と将来について考えてみてはいかがでしょう!