リスクにまつわる話

先日、ひょんな事からリスクマネジメントについて考えてみました。
まずリスクとは何かを辞書で調べてみました。
辞書には、自然現象や人間の行為が,人間の生命,財産,生存環境などに損害を与える恐れがあること,あるいはその恐れの大小のこと。とありました。
なるほど、リスクというのは、私たちのQOLの維持・向上に大きな影響を与えるファクターになるものだと分かります。

世の中には多種多様なリスクが存在していますが、ただ、ひとくちにリスクといっても個人差があり、同じ事柄でもリスクの感じ方に軽重があると言えるでしょう。

では、具体的に私たちの身近にあるリスクを列挙してみましょう。
自然災害。日本であれば、地震・台風・集中豪雨・冷害・少雨・大雪・花粉といったところでしょうか。
最近では軽石といったものも入りますね。

次は、病気。毎日のようにニュースとして伝えられている新型コロナウィルスや、毎年多くの患者が出るインフルエンザなどの感染症。
新型コロナウィルスでの死者は11月末で18,000人余りです。
また、インフルエンザの死者数は2019年で3,575人ですが、インフルエンザがトリガーとなって罹患している慢性疾患が悪化して死亡する方を合わせると約1万人ほどです。
死因の1/4を占めるガンや心臓や脳の循環器系の病気も死因の上位に来ます。

後は交通事故やテロなどもリスクでしょう。
最近は高齢者の自動車の操作ミスによる痛ましい事故が後を絶ちません。
また、京王線であった無差別殺人もリスクとなります。

こうした身近なリスクに関しては以前から読者の皆さんも関心を寄せられておられると思いますが、私がひょんな事からリスクマネジメントについて考えたのは、全くこれとは異なり地球的規模の事件が背景にあります。
その事件とはロシアにより行われた人工衛星の破壊実験です。

この実験で10㎝以上の宇宙ゴミが地球の周辺の宇宙空間に1,500個余り増えたと言うことです。
これにより国際宇宙ステーションに破片が接近し、宇宙飛行士が影響の少ない方へ避難を余儀なくされたこともあったそうです。

また、各国が運用している人工衛星は、天気予報やスマホの位置情報など私たちの暮らしになくてはならないインフラです。
宇宙ゴミがこれらの人工衛星に接近し衝突のおそれがある場合は、余分な燃料を使って軌道修正をすることになり、衛星の運用期間を短くしてしまっています。
全ての宇宙ゴミが把握できている訳ではないので、私たちが有用としている人工衛星との衝突事故がいつ起きてもおかしくない状況にあるといえます。
長い目で見ると、このことは全ての人たちのQOLに影響を及ぼしていると言えるではないでしょうか。

今、宇宙ゴミで心配していることは、比較的大きな宇宙ゴミが大気圏で燃え尽きないで私たちが生活しているところに落下しないかということです。
ロケット燃料は毒性が強いですし、破片は物理的な被害を起こします。
地球から監視できる10㎝以上の宇宙ゴミは2万3,000個以上あり、今回の実験で約6%増加したことになります。
私の心配が杞憂に終わればいいと思っていますが、可能性は0でないことは皆さんもご承知だと思います。
また、毎年衛星を更新していくためにどんどんロケットが打ち上げられ、使わなくなった古い衛星や新衛星打上げ用のロケットが軌道上に残ることでリスクが年々大きくなってきています。
段々と笑い事では済まされないこの恐ろしい現実は、私たち一般庶民にはマネジメントはできません。
国際協力という大きな視点での解決が必要な事案だと考えられます。

私はこれを契機として、こんなことが私たちのQOLに影響するんだという発想を持つ事が重要で、そのスキルを向上させる必要性が大切だと感じました。
このメルマガが、読者の皆さんの更なるメディアリテラシーの向上にむけたきっかけになれば幸いと考えますし、情報のアンテナを張り巡らせながら、キャッチした情報の真偽やいつ発信されたのかで有意義な情報だけを獲得していただくスキルを高めていっていただきたく思う次第です。