知ってましたか

寒暖差の大きい秋の季節が到来して来ました。
そこで今回は、ファッションの秋を読者の皆さんに感じていただこうと、知っているようで実は中々詳細までは知らないファッション用語について、クイズ形式でご紹介をしながら、皆さんのファッションへの知識を更に増やしていただくと共に、あわせて頭の体操をしていただこうという企画をいたしました。
5つ問題を出します。
そのあとに解答と解説を列記することとしますので、全問正解を目指してがんばっていただければと思います。
では、早速出題と参りましょう。

【第1問】
「ボーダー」は本来はどんな柄でしょうか?
①縁取り
②縦じま
③横じま

【第2問】
「バックスキン」とは?
①牛の背中の革
②雄ジカの革
③裏側を使った革

【第3問】
9号、11号などの表示サイズは、体のどこが基本でしょうか?
①肩幅
②胴囲
③胸囲

【第4問】
カーキ色にもともと含まれない色は?
①緑褐色
②茶褐色
③国防色

【第5問】
パンツというのはもともとは何のこと?
①下半身にはく下着
②細身のズボン
③作業用の幅広ズボン

以上が今回の出題分です。

では、ここからは解答と解説です。

【第1問】  正解は①
日本では一般的に横じまをボーダー柄と呼んでいます。
元々は、フランス海軍の水兵たちが着ていた青い線の横じま柄のTシャツが、フランス映画の女優らの着こなしを通じて、フレンチカジュアルの象徴として日本に広がったものです。
ボーダーとは本来、英語では「へり」や「縁」を指す言葉です。
横じまは、アメリカやイギリスでは「ホリゾンタルストライプ」などと呼び、ボーダーとは呼びません。
ファッション用語においてボーダーとは、ハンカチの縁取り刺繍のような縁飾りのことをいいます。
どうやら、日本で横じまをボーダー柄と呼ぶようになった理由ははっきりとはしないのが現状のようです。

【第2問】  正解は②
バックスキンのバックとは「BACK(背中、裏側)」という意味ではなく、「BUCK(雄ジカ)」のことを意味します。
読者の皆さんの中でアメリカのプロバスケットボールのNBAに詳しい方がおられればもうお分かりだと思いますが、そのNBAにミルウォーキーバックスというチームがあります。
このチーム名のバックスというのが正しく雄ジカのことで、ユニフォームにも雄ジカのマークがあしらわれています。
バックスキンは「銀面」と呼ばれる雄ジカの革の表面を除いて起毛させて、しなやかでキメ細かい質感を持たせたもので、手袋や靴に使われます。
因みに、バックスキンではなく、同じようなもので「スエード」と呼ばれるものがありますが、こちらは子牛や豚などの革の裏側を細かく起毛させたものです。

【第3問】  正解は③
女性の服でなじみのある「9号」「11号」などのサイズの表記ですが、この数字が示すのは胸囲のことです。
より正確に言えば、「ジャケットやブラウスなど上半身に着る服の基準となる日本産業規格(JIS)が定めた成人女性のトップバストのサイズ」のことです。
1990年代の全国調査を基に、全体の平均値であった83㎝を標準の9と定めて、奇数で3~31のサイズを設定したものです。
7はバスト80㎝、11はバスト86㎝を指し、これに「号」をつけて呼んでいます。
また、JISには身長を基準にしたサイズ表記もあって、例えば「9R」ならば、バストが9号で身長がR(レギュラーの158㎝)を表しています。

【第4問】  正解は①
ミリタリーファッションでカーキ色といえば緑色のイメージが強いですが、本来は「土色」のことで、在インド英国軍の将校が考案した泥で染めた軍服が、インドの公用語のひとつであるウルドゥー語の「カーキ」(Khaki=泥土のような)と呼ばれるようになったのが源流です。
後に米軍が採用した緑褐色や緑色の軍服が、アメリカの衣料品業界などを通じて「カーキ」と呼んで広まったらしいのです。
③の国防色というのは、旧日本軍の軍服の色で茶系になります。
ですから、解答は茶系はカーキ色に含まれますので、①が正解です。

【第5問】  正解は②
日本でパンツといえば男性用下着のイメージを多くの方が持たれるのではないでしょうか。
そのイメージをお持ちの方は、洋服店で普通のズボンのことをパンツと呼ぶことに疑問を持った方も数多くおられると思います。
pantsは、英語のパンタルーンズ(pantaloons)の略語のことを指していて、16~18世紀のイタリア演劇に登場するケチな老商人パンタローネがはいていた脚にぴったりしたズボンに由来します。
アメリカではズボン全般の意味としてパンツを使い、下着のことはアンダーパンツと呼びます。
一方イギリスではズボンのことをトラウザーズと呼んで、パンツは男性用下着を指すということですので、日本の男性用下着をパンツと呼ぶことには、イギリスの影響を多分に受けたと考えられますね。

さて、以上が今回のファッションの秋に因んだクイズ問題とその解答・解説です。                       (※上記クイズ問題などは、2023.11.11のNIKKEIプラス1より引用させていただきました。)


今までこうだと考えていたことが誤った知識だったりして、「へぇー、そうだったんだ!」と驚かれたりすることがあったかも知れませんね。
また、正解の根拠や理由を頭へインプットすることで、雑学の知識の幅が少し広がったかも知れません。
読者の皆さんには、ファッションを楽しみながら色んなところへお出かけすることでメンタルを安定させ、教養や経験を積み重ねていただき、QOLの向上を図っていただけたらと考えています。
どんどんおしゃれをして、秋の1日を楽しみましょう!(ま)