脳の決断疲れ

さて、今回は脳の決断疲れの話題を取り上げます。

気持ちの余裕がないと、つまり、脳が疲れていると、決めたいと思っていても、なかなか決めることができません。
不用品を捨てる・捨てないをなかなか決められない人は、決断疲れを防いでみてはどうでしょうか?
そんな決断疲れに陥らないためにできることを具体的に紹介しましょう。

決断疲れとは、どういった状況を指すのでしょうか。
決断疲れは、いろいろなことを決めすぎて、脳が疲れてしまうことです。
一説によると、私たちは1日に35000回も意思決定をしているそうです。
現代社会にあっては何事につけ選択肢が豊富にありますから、どうしても決めることが増えてしまうのでしょう。
たとえば、女性の生き方についても、昔の女性は、働く場所がなかったので、適齢期になったら親が決めた相手と見合い結婚というルートがある程度決まっていたところがありました。
しかし今は、結婚しない道もありますし、法的に結婚せず同棲してもいいですし、結婚する時期もまちまちですし、仕事にいたっては、それはもう山ほど色々ありますし、移動も自由になりましたから、住む場所の選択肢もたくさんあります。
日常買う商品にしても、種類がありすぎて迷ってしまいますよね?
技術が進んで、色々なことをセルフで行うことも、決め事を増やしていると思います。
そんなこんなで、たくさんの決め事に頭を使うので、私たちの脳は決断疲れに陥ってしまうのです。

では、具体的に決断疲れの症状といったものをご紹介しましょう。
決断疲れがひどくなると、以下のことが起きます。
・物事をなかなか決められない
 ささいなことなのに、ぐるぐると迷ってしまう
・集中できない
・情緒不安定で感情の起伏が激しく、自分の気持ちをコントロールできない
・先延ばしをたくさんしてしまう
・衝動的な行動が多くなる
 (衝動買い、口にすべきではないことを衝動的に相手にぶつけるなど)
・状況に圧倒され気味で、色々なことに振り回されて1日が終わってしまう
・いったん決めたことに対して、いつまでもぐずぐず考えてしまう
・やるべきことをやらずに逃避する行動に出てしまう
 (ビンジウォッチング、SNS、甘いものの大量食べ、飲酒など)
※ビンジウォッチング(binge watching)とは、Netflixなどでドラマや映画を
 一気見することです

では、ここからは決断疲れにならない方法を7つご紹介します。

1 定番を作る
決断する回数を減らすと、決断疲れになりません。
すべてのことを1から考えなくてすむよう、日常よく使うものは定番を作ってください。
たとえば、毎日着る服を決めてしまえば、たくさんある選択肢から、組み合わせを考えずにすみます。
ユニフォームを決めなくても、ある程度、絞り込めば、楽になります。
翌日着る服を前の晩に用意するのもいいでしょう。
服装だけでなく、普段食べるものや使うものも、定番化できるならそうしたほうがいいと思います。
そして毎日の家事もルーティン化しましょう。

2 何もかも自分で決めない
決めなくてもいいことまで、自分で決めるのをやめましょう。
自分が決めなくてもいいことは他の人や、別の何かに決めさせてください。
職場では、同僚や部下、上司に、頼んでもいい仕事や用事をどんどん頼んでください。
家庭では、夫や子どもにも意思決定に参加してもらいましょう。
たとえば、夕食のメニューや、テレビで何を見るか、どこに遊びに行くかといったことです。
友達付き合いでは、友人に決めてもらっても大丈夫なことは、みな友人に決めてもらいましょう。
状況をコントロールしたい人や、何もかも仕切りたがる人は、決め事が増えてしまうので、ときには、一歩引くことも肝要と言えるでしょう。

3 日々のスケジュールをだいたい決める
スケジュールもある程度決めておくと、決めることが減ります。
「そんなのつまらない」と思う人は、仕事のある平日は、スケジュールを固めて、週末などのオフの日は自由にすればいいでしょう。
とは言え、毎日同じような時間に寝て起きたほうが体も脳も疲れません。

4 大事な決め事は頭が疲れていない時にする
重要な決め事があるときは、1日中ぐるぐる反芻(はんすう)するのではなく、頭が疲れていないときに考えて決めてください。
頭が一番疲れていない時は、多くの場合睡眠をとって、脳をしっかりケアした直後の朝です。
朝が一番頭が疲れておらず、気分も前向きです。
昼過ぎからだんだん疲れてきて、やるべきではないことをやってしまって、スケジュールが乱れたりします。
朝は脳のゴールデンタイムなので、この時間帯にはどうでもいいSNSのチェックなどをしないで、重要なことをするように心掛けてください。

5 まめに書き出す
仕事、家事、用事などやらねばならないことや、やりたいことはマメに紙に書き出してください。
捨て活に関しても、捨てる物や片付けたい場所などをリストアップしておくのがいいですよ。
書き出したら、それに優先順位をつけて、トップ3だけを確実にやるようにするのも一工夫で良いかと思います。
私は、よく頭の中にあることを書き出すように言っていますが、書き出さないということは、すべて脳内で考えて処理しているということですね。
そのときには、ワーキングメモリ(短期記憶)を使っていると思います。
まあ、何が短期で何が長期かを厳密に定義しようとすると、難しいと思いますが、「これ、捨てようか? それともキープしようか?」と考えているときはワーキングメモリを使っていると私は思います。
ワーキングメモリは容量が少ないので、よけいな考え事をしないほうが効率的に使えます。
そのために、あれこれ書き出すことはベストの方法ではないでしょうか。
書き出すことは、気持ちの整理、ストレス解消、うつ症状からの回復にも役立つという研究もありますので、書いて損はないと思います。

6 選択肢を減らす
何かを決めるとき、オプションがたくさんあるときは、強制的に候補を3つに絞り、そこから決めるようにしてください。
たとえば、次に旅行に行きたい場所が30個ぐらいあったとしたら、海外、国内、近場でそれぞれ1つを選出し、その中から最終的な旅先を決めるという風にしましょう。
何かに本格的に迷い始める前に、候補を3つに絞る癖をつけると、決断力があがると思います。
これまでおすすめした服装の制服化やルーティンを作ることも、結局はオプションを減らす行為です。
普段の生活でも、選択肢を拡大させるより絞り込むことに心がけたほうが、頭が疲れません。

7 ウェルビーイングを優先する
ウェルビーイング(well-being)は、「幸福」と訳されることが多いですが、肉体的、社会的、精神的に満たされた状態のことです。
ウェルビーイングを向上させると、脳の状態がよくなります。
そのために不可欠なのが、健康的な生活です。
睡眠、食べ物、運動に気を使って、ヘルシーなライフスタイルを送って、決断疲れを防いでください。
私たちは、「お金の損得」を最優先に考えることが多いですが、一時的にお金を数千円得することが、毎回、ウェルビーイングの向上につながるとは言えません。
むしろ、幸福度を下げる結果になることがよくあるので、お金の損得ではなく、ウェルビーイングを叶える行動を優先しましょう。