チルを知ろう!
先日、「チル」という単語が耳に留まったので、好奇心の食指が動き出して調べてみることにしました。
高齢者の仲間入りをしている筆者にはその意味が全く分かりませんでしたが、ネットで調べてみると「チル」とは、英語の「chill out」を語源とするスラング(特定の集団内でのみ通用する非公式な言葉や表現を指す俗語)で、心身がリラックスした状態や、ゆったりとくつろぐことを意味するということが分かりました。
では早速、主な使い方や使われ方を見ていくことにいたしましょう。
「チル」は、リラックスする、くつろぐ 、のんびりする、まったりするといった情緒的な変化を表す際に使われます。
「チル」は、主にミレニアル世代(1981~1996年生まれ)やZ世代(1997~2012年生まれ)から広まった表現です。
どうりで高齢者の私は聞いたことがなかったんだと、妙に納得してしまいました。
「チル」という言葉が流行するようになった背景には、コロナ禍の世相があるのではないかと考えられています。
職場や学校などでストレスを抱える若者も、コロナ禍以降、外出する機会が減り自宅で過ごす時間が増えました。
自宅にいて落ち着いた生活ができ、くつろげる時間が増えたことで、自分の時間の大切さに改めて気づいた若者も多かったようです。
そういった状況で、「チル」という言葉の中には「自分の時間を大切にしたい」という思いも含まれていることから、多くの若者からの共感を呼びました。
派生語の 「チルする」「チルってる」「チルい」のように動詞や形容詞としても使われ、若者を中心にSNSなどで広まっています。
では、ここでひとつクイズを出しますので、頭を「チル」してください。
問題を出します。
「チルい」の使い方として、正しいものを選んでください。
①初めて大阪・関西万博へ来たが、想像以上に来場者が多く、とても「チルい」体験になった。
②明日締め切りの課題が終わらなくて「チルい」
③急に休みになったので、月曜日なのに「チルい」過ごし方ができた。
さあ、あなたは何番を選びましたか?
正解は③の「急に休みになったので、月曜日なのにチルい過ごし方ができた」です。
③だけが「ゆっくりくつろぐ」に言い換えられるためです。
①は「大変な」、②は「ダルい」というニュアンスになるため、不正解となります。
次に、「チル」を使った言葉の具体的な使い方を紹介しましょう。
「チル部屋」とは、リラックスできる自分の部屋で、自分の好みに合わせた空間を指す言葉です。
「チルい部屋」とも表現され、リラックスを重視したり自分の好きな物を集めたりするなど、さまざまなスタイルがあります。
「チル」を求める消費者に目を付けた各メーカーは、自宅でリラックスすることにフォーカスしたインテリアや家電などを販売しています。
あなた好みの「チル部屋」を作れば「おうち時間」がますます楽しくなることでしょうね。
次は「チル旅」です。
「チル旅」とは、観光スポットを巡り、グルメやお買い物を楽しむのではなく、日常から離れ自然に触れて静かにくつろぐことを主な目的とした旅行やレジャーを指します。
最近では、チル旅を企画する自治体や企業も出てきています。
続いてチルスポットです。
チルスポットとは、1人でのんびりとリラックスして過ごせる場所のことです。
神社や公園、美術館、カフェなど地域によりさまざまな場所がチルスポットになっています。
隠れ家的なバーなどもこれに含まれるかも知れませんね。
アクセスが良く、混雑を気にせずに楽しめる観光スポットを指す場合もあります。
読者の皆さんも、お住まいの近くのチルスポットを、一度探索してみてはいかがでしょうか。
続いてはチル友です。
気を使わなくて済んで、一緒にいると落ち着く友達のことをチル友と呼びます。
チル友は、2018年の「インスタ流行語大賞20ワード」に選ばれました。
ちなみに、ロックバンド「Mr.Children」のファンも、ミスチルをもじってチル友と呼ばれています。
チル友に関しては、特にSNSのハッシュタグではファン仲間を求めているケースも見られますので、どちらの意味で使われているのか注意してリアクションしましょう。
最後はチル消費です。
チル消費とは、のんびりとまったりできる時間をより豊かにするためにお金を使うことです。
チル消費は、2019年に「楽天ヒット番付」の中で西の小結に選ばれ、話題になりました。
キャンプやチル旅などだけではなく、落ち着いた時間を過ごすために使われるアイテム関連の商品購入もチル消費に含まれます。
例えば部屋の中で過す際に使うお香などがあります。
ここまで「チル」を使った言葉の使い方で「チル」を身近に知っていただけたのではないでしょうか。
読者の皆さんは、「チル」とは心身がリラックスした状態や、ゆったりとくつろぐことを意味していて、正に今の働き過ぎと言われている日本の現役世代と呼ばれているに方々に一番必要なものだと感じ取っていただいたと思います。
生き生きと過されている方々の中には、仕事や家庭などで忙しく動き回っている中で、なにがしかに「チル」を意識しながら行動していることで心身のバランスを保っている方がいるように感じます。
正しく「忙中閑アリ」の実践をすることで、意識的に休息や心の余裕を見つけることの重要性を理解しているのだと強く感じられるのです。
私たちのQOL向上に不可欠なものとして、「静」と「動」という動きがあって、「チル」は「静」の代表格です。
「静」と「動」はどちらも欠くべからざるものですが、「チル」のような「静」があってこそ、「動」に移った時の効果が大きいと言えます。
身体で例えるなら「動」は背伸びをして少しでも上へ行きたいと上を目指している状態です。
「静」はじっとしゃがんでリラックスしている状態です。
「動」の背伸びをしている状態からでは、伸びしろは限定的です。
しかし、「静」のしゃがんだ状態から全身を使って上へ向けてジャンプをすれば、背伸びをいている「動」の最高点を遙かに超えるところへ到達することが出来ます。
「動」を最も有効的に使うには、「動」の前段階での「静」の動作を取り入れることがとても大切なことだと思うのです。
私たちが自らのQOLの向上を目指す時には、心身がリラックスした状態の「チル」を大いに意識しながら活動することで、より一層の高みを目指せる活力源になるでしょうね。(ま)


