花を愛でる
さて、今回は花の持つ効果についてのお話しです。
冬になって花屋さんを覗くと、シクラメンなど季節的な花の種類が限定されてしまって、少々寂しい気がしています。
花は、筆者も心を癒やしてくれる重要なアイテムと考えています。
花を愛でることは、ストレス軽減、幸福感向上、集中力アップ、身体的回復促進など、心身に良い影響を与え、私たちのQOLを向上してくれる様々な効果があります。
では、ここからは花の持つ具体的な効果や科学的根拠などを見ていくとしましょう。
では先ず、花がもたらす心理的効果から見ていきましょう。
○ストレスと不安の軽減
花を見ることで、ストレスや不安が顕著に減少し、ポジティブな感情を持つことが観察されています。
脳の活動に良い影響を与え、心理的・生理的なストレス反応を緩和することに繋がります。
○幸福感の向上
花を見ると、ドーパミン、オキシトシン、セロトミンといった「幸せホルモン」が分泌され、幸福感が高まります。
朝、新鮮な花を目にすると、一日中幸福感が高まるという研究結果もあります。
○集中力アップ
花を見ることで気持ちがリフレッシュされ、仕事への集中力が高まる効果が期待できます。
○活気の向上
花のある部屋にいると活気が出たり、疲労や緊張、不安などのネガティブな気持ちが抑えられることが研究で示されています。
花にはこれだけの効果が見込まれるなら、部屋の中には常時花を置いておきたいですね。
では続いて、花の癒し効果の科学的根拠を見ていきましょう。
花が心身に与えるポジティブな影響は、様々な研究で実証されています。
脳活動への影響としては、ストレスを感じた際に花の画像を見ると、恐怖や嫌悪感といったネガティブな感情が減少し、感情に関わる脳の領域(扁桃体)の活動が抑制されることが分かっています。
これにより、ストレス源から注意が逸れ、気分がネガティブからポジティブに転じると考えられています。
生理学的変化では、花の画像を見ることで、ストレスによる血圧の上昇が3.4%低下し、ストレスホルモンの値も21%低下することが確認されています。
生花を見た際には、副交感神経活動が17%増加し、交感神経活動が31%低下するというデータもあります。
これは、まさしく花を見ることによって心身のリラックス状態が醸し出されることを示していると言えます。
また、心理的変化では、花を飾った部屋にいる人は、そうでない部屋にいる人よりも「活気が出る」「疲労、緊張、不安などのネガティブな気持ちが抑えられる」と感じるという研究結果もあります。
花の色彩や美しさが、心理的な幸福感を高める要因になっていると考えられます。
それでは、五感を通じた癒しのメカニズムはどうなっているのでしょうか。
花は、私たちの五感それぞれに働きかけ、心身を癒してくれます。
○視覚
花の鮮やかな色彩や美しい形は、色彩心理学に基づき人に対して幸福感や活力を与え、見る人の心を穏やかにしてくれます。
職場環境に花を飾ることで、生産性や創造性が向上するという研究結果も存在します。
○嗅覚
花の香りは、リラックス効果をもたらして心身の緊張を和らげます。
アロマディフューザー(アロマオイルの香りを空間に拡散させるための器具)などで香りを取り入れるのと同じように、生花の自然な香りがストレス軽減に役立つことが分かっています。
○触覚
花に触れる、土に触れるといった行為は心拍数や血圧の低下につながり、マインドフルネス(評価や判断を加えずに「今この瞬間」に意識を向ける心の状態のこと)の実践効果が期待できます。
生け花のように意識的に花と向き合うことで、「ストレスホルモン」であるコルチゾールの分泌が抑制され、セロトニンやドーパミンといった「幸せホルモン」の分泌が促進されることも指摘されています。
これらの科学的な根拠は、花が単なる装飾品ではなく、私たちのメンタルヘルスをサポートする重要な存在であることを示していますね。
また、農研機構(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)の研究では、筑波大学等と共同で花の観賞による癒し効果を心理的、生理的、脳科学的なデータをまとめて調査した研究結果があります。
実験参加者に不快な画像を見せて心的ストレスを負荷し、その後、花の画像を見せたところ、不快な画像によって生じたネガティブな情動(恐怖や嫌悪感)が減少してポジティブに転じました。
さらに、上昇していた血圧は3.4%低下して、その低下幅は花以外の画像を見せた時に比べて有意(確率的に偶然とは考えにくく、意味があると考えられること)に考えられるほど大きなものでした。
また、ストレスによって上昇するホルモンの値は花の画像によって21%低下することも確認されました。
実験参加者の脳活動を解析した結果から、花の画像を見ることによって情動の生起(物事や現象が発生すること)に関わる脳の領域(扁桃体)の活動が抑制されることが明らかになりました。
実験参加者は「花」という刺激に惹きつけられることで、ストレス源であった不快画像から注意が逸れたと言うことが推察されました。
その結果、ネガティブな情動を生起させていた扁桃体領域の活動が減少し、身体に生じていたストレス反応(血圧やホルモンの上昇)も緩和したと考えられます。
次は、花による心理的効果から離れて、花がもたらす身体的効果について見ていくことにしましょう。
○回復の促進
手術後の患者が花や自然の景色を見ることができる環境では回復が早まり、痛みが減少し、入院期間が短くなることが示されています。
○血圧の安定
花の観賞は、ストレスによって上昇した血圧を低下させる効果があります。
○眼精疲労の回復
緑を眺めることで、眼精疲労の回復を助ける効果も期待できます。
次に、花の具体的な活用方法について見ていきましょう。
○部屋に飾る
部屋に花を飾ることで空間がおしゃれになるだけでなく、気分が明るくなり、掃除のモチベーションアップにもつながります。
○色による効果
花の色によっても心に与える効果が異なります。
・ピンク:緊張感を和らげ、心を穏やかに保ち、女性ホルモンの分泌を促す効果が期待できます。
・赤: やる気やパワーが欲しい時に、交感神経を刺激し、血行を良くする効果があります。
・白: リフレッシュ効果や浄化作用があり、気持ちを切り替えたい時におすすめです。
〇育てる 花やハーブを育てることで、植物に触れることによるリラックス効果や、土の中の微生物によるストレス軽減効果も期待できます。
今回のブログでは、花が持つ心身に良い影響を与える様々な効果を見ていくとともに、花を日常生活の中などで取り入れていくメリットにも触れてきました。
花は、私たちのQOLの向上のための大切なアイテムであると言うことは、読者の皆さんも否定はされないと思います。
今は寒い冬真っ只中ですが、暖かな季節の春を迎えるための準備期間でもあります。
春に花を咲かせてくれることを期待して、花の苗や種を植えるなどして土と触れ合うこともQOL向上の一助となるでしょうね。
どうぞこれからも、一層花を愛でる機会を増やしていただくと共に、QOLの向上、ひいてはwell-beingを叶えていただくアイテムとして、日常生活の中に色とりどりの花を取り入れていただければ幸いです。(ま)


