インフルエンザの正しい知識と予防法

さて、私たちのQOLの向上を阻害するものに病気があります。
特に身近な病気として寒い季節になると流行出すインフルエンザ(流行性感冒)があります。
最近では流行の兆しが夏の時期に出て来たり、子どもの学校生活に影響するインフルエンザによる学級閉鎖も今までよりも早まっているニュースを見聞きしたりすることがあります。
毎年多くの方々が罹ったりしていますし、一般的な風邪とは違って高齢者では罹患後肺炎や脳症になったりして、重症化したり命に関わる事態になることもあります。
今回のメルマガは、毎年流行るインフルエンザについて、その病気のメカニズムやインフルエンザに罹らないしっかりとした予防方法を紹介しながら、健康を害することなくQOLの向上を図っていただこうと考えています。

では、「敵を知り、己を知らば百戦危うからず」の孫子の名言どおり、インフルエンザの本質に迫ってみることにしましょう。
厚生労働省によると、11月3日~11月9日までの1週間に報告されたインフルエンザの感染者数は、1医療機関あたり21.82人で、前の週より7人ほど増加していて、2週間前に比べれば3倍以上に増え、然も12週連続で増加しています。
去年の同じ時期に比べると感染者数は約15倍となっていて、今年の流行がとても早く来ていることが伺えます。
インフルエンザとは、一般的な風邪とは違ってインフルエンザウイルスにより引き起こされる急性ウイルス性疾患です。
例年であれば、11月頃から徐々に患者が増え始め、1月頃に流行がピークに達し、4月過ぎに収束する傾向があります。
インフルエンザの典型的な症状は、急激な発熱や悪寒戦慄、のどの痛みなど、急激に出現する上気道症状です。
38度以上の高熱が3、4日持続した後、解熱していくという経過を辿ることが一般的です。
熱が高くならない場合や長引く場合もあり、経過には個人差があります。
今流行しているインフルエンザは「A型」です。
毎年流行期があり、急激な発熱と激しい症状が特徴です。
今年は咽頭痛から始まる症例が多く、咳・吐き気・おう吐・下痢・腹痛の頻度が高くなっています。
専門医の話によれば、昨シーズンにあまり流行しなかった「A香港型」の割合が多いため、集団免疫が落ちているのでしばらく感染者の増加が続くのではないかということです。
また、早期流行のきっかけとして、
◆猛暑の影響 暑さはストレスになるので、免疫力が低下した
◆今年は国際交流の機会が多く、海外からウイルスが流入
◆ワクチン接種が進む前に拡大してしまった
等を挙げています。

インフルエンザは基本的には自然に治癒をする病気ですので、必ずしも抗インフルエンザ薬が必要になる病気ではありません。
しかし、肺炎や脳症を発症するリスクもあるため、前述したように風邪とは区別して考えるべき病気といえます。
インフルエンザは、A型、B型、C型の3つの型のインフルエンザウイルスが原因です。
このうち、冬に流行する「季節性インフルエンザ」を引き起こす型としては、A型とB型が挙げられます。
インフルエンザウイルスにはさまざまな種類があるため、一度かかっても同じ年でも、型の違うインフルエンザウイルスに感染することがあります。
インフルエンザには、季節性インフルエンザ以外にも新型インフルエンザなど、世界的な大流行を引き起こしうるものが存在します。
新型インフルエンザとは、季節性インフルエンザと抗原性が大きく異なるインフルエンザで、一般の多くの方がそのウイルスの免疫を獲得していないことから、全国的かつ急速なまん延により多くの方の生命および健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものを指します。
季節性インフルエンザと異なり、ほとんどの方が初めて直面するタイプであるため有効な免疫を持っていません。
そのため世界的な大流行を引き起こし、ウイルスの性質によっては死亡率も高くなる可能性があります。
2009年に大流行した新型インフルエンザ(H1N1型)は、豚の間で流行っていた豚インフルエンザウイルスがヒトに感染するようになったことに起因するものと言われていて、日本だけでなく世界中で猛威をふるいました。
インフルエンザは咳や鼻水を介する飛沫感染によって感染し、1〜2日程度の短い潜伏期間の後に発症します。
典型的なインフルエンザは、悪寒戦慄、急激な高熱と共に発症します。
同時に、筋肉痛や咳、鼻水などの上気道の症状が現れることもあります。
発熱期間は3〜5日ほどであることが多く、38度以上の高熱が持続した後に解熱傾向に向かいます。
一度解熱してから再度発熱することもあり、こういった場合はインフルエンザの自然経過なのか、肺炎などの合併症による発熱なのか、医療機関で正しく判断を受けることが重要です。
新型インフルエンザでは、下痢や嘔吐などの消化器症状が生じることもあります。
また、肺炎や脳症などの合併症にも注意が必要です。
インフルエンザウイルスの感染の際に合併症を発症している場合、発熱の期間が典型的なインフルエンザの例よりも長くなったり、咳がひどくなり呼吸が苦しくなったり、意識状態がおかしく、けいれんを起こす場合もあります。

インフルエンザの診断には、迅速キットが使用されることがあります。
鼻から長細い棒を入れて鼻咽頭から検体を採取したあと、迅速キットを用いてインフルエンザウイルスの有無をチェックします。
結果は10〜15分ほどで判明します。
現在では喉の内部を撮影して得られた画像と問診などの診療情報から、陽性・陰性を判断する「AI検査」も実施されています。
1万人以上の患者と50万枚以上の画像データを基に診断するもので、精度は7割超えで、十数秒で判定結果が得られるスピード感が売りです。
さらに、検体採取しないため、痛みが少ないという声もあり好評です。
使えるのは6歳以上で、感染早期の診断が得意だということです。
保険が適用され、全国約2000の医療機関で導入されています。

それでは続いてインフルエンザの予防方法についてみてみましょう。
やはり感染症の代表格ですので、手洗い、うがい、マスクの着用などを心がけることが、1丁目1番地と言えるでしょう。
また、ワクチン接種を受けることは重症化を防ぐための方法のひとつです。
インフルエンザの予防をするためには、バリアを作ってウイルスから体を守る食品を摂取することもオススメです。
具体的にはヨーグルトや納豆などの発酵食品や、野菜、あとはバナナなど果物も良いでしょう。
体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を日頃から心がけることが大切です。
空気が乾燥すると、のどの粘膜の防御機能が低下します。
乾燥しやすい室内では加湿器などを使って、適切な湿度(50%から60%)を保つことも効果的です。
一番接触することの多い家族間では感染リスクの低下を考慮して、手洗い後などのタオルを共用するのをなるべく避けてペーパータオルなどで水気を拭き取ることも良いかも知れません。
そしてウイルスが指先に付着していることがあるので、爪は伸ばさずに手洗いの際には指先も入念に石けんで洗うことが大切です。
また、意外と注意が必要なのは歯磨きをしたときに飛沫が出るのが問題だと言うことです。
そのため、洗面台だと換気が悪い可能性もありますので、浴室で歯磨きをすることが感染予防に繋がります。
浴室であればそのまま流せますし換気も可能です。
もしインフルエンザに感染している人がいたら、一番最後に浴室で歯磨きをしてもらうのが予防方法としていいのではと専門医も提案しています。

インフルエンザは死亡例もたくさんあり恐ろしい病気に変わりはありませんが、過度に恐れず、ここで紹介した予防法などを参考にしていただき、正しく予防をすれば罹らずに済みます。
万一感染したとしても治療薬もありますし、重症化せずに治癒することが出来るでしょう。
今年の冬は、読者の皆さんには、インフルエンザの正しい知識と予防法を知っていただき、健康的な生活を持続していただければと考えています。
また、万一罹患された場合であっても、自身に起こりうるQOLの低下を極力抑えて、通常の生活へいち早く復帰していただければ幸いだと考えています。(ま)