ぐっすり眠る方法とは
今回の話題は「ぐっすり眠る方法」についてのお話です。
毎日、暑い日が続いていますが、みなさんは良質な睡眠がとれていますか?
寝苦しい夜もあるかと思いますが、睡眠の質を高めることは、酷暑の夏を乗り切るためにもとても大切なことです。
厚生労働省の指針でも、適切な睡眠時間や質の確保が重要とされています。
それだけ、「睡眠」は多くの人々にとって関心の高いテーマです。古今東西、さまざまな取り組みがなされてきましたが、今回はその中からいくつかをご紹介したいと思います。
◆ ムーミンと眠れない夜のエピソード
みなさんは「ムーミン」をご存じですか?
わたしの子どもの頃の記憶に残っているテレビ放送のある回で、眠れずにイライラしているキャラクターがいました。すると、スナフキンがその人の部屋の中に、なんとニワトリを放してしまうのです。
そのニワトリを捕まえようと部屋中を駆け回るうちに、その人はすっかり疲れ果てて、ぐっすりと眠ってしまったのでした。
少しユニークな手法ですが、体を動かして適度に疲れることが、快眠につながるという示唆にも思えます。
◆ 銭湯で見つけた「温冷交代浴」のすすめ
また、わたしがよく通う銭湯では、水風呂のところの壁に、こんな効能書きが掲げられています。
「水風呂に1分間、湯に1分間を2~3回繰返し、水風呂を最後に上がると、病後の回復・神経痛・腰痛・肩こり・冷症・便秘に効果があります」
ここには特に、睡眠についての効能書きはありませんが、ただわたしにとってはこれが、ぐっすり眠るための有効な習慣となっています。
調べてみると、これは「温冷交代浴」と呼ばれ、サウナのように熱い空間で体を温めたあと水風呂で冷やし、外気浴で体温を調整する、という入浴法も、温冷交代浴の一つです。
生理学的には、10℃程度の温度差でも交感神経が刺激されるそうで、自律神経の調節や免疫力向上、さらには抗アレルギー効果なども期待されているとのことです。
※入浴前には水分をしっかりと補給し、ご自身の体調に合わせて無理のない範囲で、少しずつ慣らしていくようにいたしましょう。
◆ 睡眠の質向上に役立つ!ZAKONEのワークショップ
さまざまなイベントや勉強会の中で、特に印象に残っているのが「ZAKONE(ザコネ)」というコミュニティのワークショップです。
ZAKONEは、企業や個人をつなぎ、睡眠に関する課題を解決することを目的とした、国内最大級の企業間コミュニティです。スローガンは「世界平和のためにみんなで寝よう」。現在、240社が参加しているそうです。
今回は、こちらで体験したワークショップの内容を長文になりますが、少し詳しくご紹介してみたいと思います。大変具体的で、すぐに役立つワークですので、みなさんもご一緒にいかがでしょうか。
まず始めに、今回のワークショップでは、「睡眠ふり返りシート」というものがありました。 A. 平均的な日常生活において、最近1ヶ月以内の睡眠にまつわる状況を、以下の三つのポイント(量、リズム、質)それぞれ 5つの質問に対して、4 段階評価で最も当てはまるものを選び得点化します。
B. 量、リズム、質ごとに、1~5それぞれの得点を合計し、その得点が高いか低いか、ご自身で評価(警戒、注意、良)をしてみましょう。
■量:自分に合った十分な量の睡眠ができているかをみます。
(とても当てはまる0点・やや当てはまる1点・あまり当てはまらない2点・全く当てはまらない3点)
- 平日の睡眠時間は6時間未満である
- 本当はもっと寝たいが、思うように睡眠がとれていない
- 目覚めた直後に強い眠気や疲労感が残っている
- 昼時だけでなく、午前中や夕方に眠気を感じる
- 居眠りやうたた寝をする
1~5合計点( )※9点以上は評価 良
■リズム:日頃の睡眠習慣のリズム(規則正しさ)や、朝型・夜型の度合い
をみます。
(とても当てはまる3点・やや当てはまる2点・あまり当てはまらない1点・全く当てはまらない0点)
- 平日・休日に関わらず、就寝時間はほとんど変わらない
- 平日・休日に関わらず、起床時間はほとんど変わらない
- 朝食は毎日きちんとした食事を摂っている
- 「朝型」と「夜型」でいうと、自分は「朝型」である
- 平日の起床時刻は、
午前6時頃もしくは午前6時よりも早い(3点)、 午前6時30分頃(2点)、午前7時頃(1点)、午前7時よりも遅い(0点)
1~5合計点( )※9点以上は評価 良
■質:良質な睡眠がとれているかをみます。
(とても当てはまる0点・やや当てはまる1点・あまり当てはまらない2点・全く当てはまらない3点)
- 寝る態勢に入ってから30分以上寝つけない
- 夜中に2回以上目が覚める
- 起床する予定の時刻より2時間以上早く目覚めて、 その後寝つけない
- 深く眠れた感じがしない
- 眠れないことに不安を感じる
1~5合計点( )※11点以上は評価 良
いかがでしょうか? わたし自身は、このふり返りシートで睡眠の量についての課題があることがわかりました。
そしてもう一つは、「睡眠習慣チェック」というものがあります。
A. 下記の、リズム・質・量に関する20の項目について、〇△×でチェックします。 (〇できている・△できていないが、できそう・×できない)
B.「睡眠ふり返りシート」での結果も踏まえて、△とした項目から目標を選び、習慣化にチャレンジします。
■量
- 睡眠時間を7時間以上確保する
■リズム
- 起床、就床時刻を一定にする
- 毎朝起きたら、明るい光を浴びる
- 毎朝起きたら、朝食を食べる
■質
- 定期的に運動する習慣をつくる
- 人と接する習慣をつくる
- 昼寝は15時まで20分以内にする
- 15時以降の居眠りや仮眠を避ける
- 15時以降のカフェインを控える
- 夜になったら明かりを控える
- 寝る1, 2時間前にお風呂に入る
- お酒は寝る2時間前に終えるようにする
- タバコは寝る1時間前に終えるようにする
- 寝る前の食事を控える
- 寝る前は刺激や考え事を避ける
- 寝る前はリラックスする
- 寝床で仕事や考え事をしない
- 眠たくなってから寝床に入る
- 途中で目が覚めても時間を確認しない
- 寝室は温度16~26℃、湿度50~60%、真っ暗にする
習慣化と行動変容を促せる試み、いかがでしょうか?
わたし自身は、量の1.「睡眠時間を7時間以上確保する」が△で、今後の目標といたしました。 QOL(クオリティオブライフ)の向上には、やはり睡眠の量、リズム、質は大事ですね!
◆ 睡眠の未来、眠気の正体とは
最後にちょっとむずかしい内容ですが、2025年7月16日にNature誌に掲載された、最新の睡眠に関する情報をご紹介して締めくくりたいと思います。
先日、innovaTopia(イノベトピア)という最先端の科学技術を伝える専門のニュースメディアで、「睡眠の謎を解く新発見|ミトコンドリアの電力オーバーロードが眠気の正体」という記事が掲載されました。(2025年7月31日)
「英国オックスフォード大学のゲロ・ミーゼンベック教授とラファエル・サルナタロ博士の研究チームが、ショウジョウバエを用いた実験により睡眠欲求の細胞レベルでのメカニズムを解明した。」という記事です。
※研究結果は2025年7月16日にNature誌に掲載。
これは、「眠気」の正体を細胞レベルで解き明かした画期的な発見です。
イノベトピア編集部の解説記事では、 「この発見により、将来的には睡眠障害の治療法が根本的に変革される可能性があります。
従来の薬物療法とは異なり、ミトコンドリアの代謝機能を標的とした治療法の開発が期待されます。特に不眠症や過眠症の患者において、ミトコンドリア機能の評価と改善が新たな治療戦略となり得るでしょう。
さらに、この研究は神経変性疾患との関連性も示唆しています。アルツハイマー病やパーキンソン病では睡眠障害とミトコンドリア機能不全が共通して観察されており、両者の関連性を理解することで、これらの疾患の新たな治療アプローチが見えてくる可能性があります。」と紹介されていました。
すごい発見ですね! 将来が楽しみです。
◆ おわりに、今すぐできること
とはいえ、大切なのは毎日のちょっとした習慣です。
毎日のちょっとした工夫と習慣化で、どなたでも、ぐっすり眠れる毎日に一歩近づくことができます。
ぜひ、朝起きたらカーテンを開けて、太陽の光を浴びることから始めてみてください。
太陽光を浴びることで「体内時計」がリセットされ、副交感神経と交感神経のスムーズな切り替えを促してくれます。
またそうすることで、元気と幸福感を授けてくれるセロトニンが分泌され、やる気も俄然アップしますし、分泌されたセロトニンは、夜になると睡眠をつかさどるメラトニンの生合成に欠かせない原料にもなります。
つまり、朝の行動が夜の良質な睡眠をつくるのです。
良質な睡眠は、心身の疲労回復だけではなく、自律神経を整え、免疫力を高め、認知症のリスクを下げるとも言われています。私たちの心と体、そして未来の健康を守るうえで、欠かせないものです。
人は人生のおよそ3分の1を睡眠に費やすといわれています。
だからこそ、「眠りの質」を整えることは、自分の人生を大切に扱うことでもあります。
このメルマガを通して、みなさまの眠りの質が少しでも高まり、ぐっすりと眠れる毎日が訪れますように!
どうかお身体ご自愛いただければ幸いです。(ふ)


