秋への心の準備

さて、今回は「秋への心の準備」についての話題です。
秋は、夏の疲れを癒し、来る冬に備えるための大切な準備期間です。
心と体の両面から、秋を心地よく過ごし、来るべき冬に備えるための心の準備についてご紹介しましょう。

秋は、夏の活発な「陽」のエネルギーが落ち着き、「陰」のエネルギーが優勢になる季節です。
また、日照時間が短くなる影響で、気分が落ち込んだり、憂鬱になったりしやすい時期でもあります。
気象の変化も激しく、自律神経が乱れやすいので、意識的に心と体をケアすることが大切になります。
メンタル的になんだか切なくなったり、寂しくなったりするのも、この時期にはよくある自然な感情なので、ご自身を責めすぎないでくださいね。

では、そんな秋ですが、今からご紹介するセルフケアによって心と体の準備をしましょう!
先ずは、「食欲の秋」と言われているように、収穫の秋で取れた食材で作った美味しい食事で体の潤いを補給しましょう!
夏に失われた水分を補給し、乾燥する秋冬に備えることが重要です。
特に、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富な旬の根菜類や果物を積極的に取り入れましょう。
これらは私たちの免疫力を高め、体の潤いを保ち、冬に向けての寒さに負けない体をつくる働きがあります。

では、具体的な効果を引き出すためのおすすめ食材を紹介しましょう。
まず、「気」を巡らせる食材についてです。
普段余り聞き慣れない「気」を巡らせるという言葉ですが、漢方医学において生命エネルギーとされる「気」を、体内で滞りなく循環させることを言います。
「気」は、漢方医学において精神活動や身体の機能、活力の源であり、血液や体液の循環にも関わる重要な要素です。
この「気」の流れが滞ると「気滞(きたい)」という状態に陥ってしまうことから、イライラ感や不安、喉の違和感、自律神経の乱れ、不眠、疲労感などの不調が現れることがあります。
「気」を全身に巡らせるのは「肝臓」の働きが重要になります。
玉ねぎや、らっきょうなどの肝臓の働きを助ける食品を積極的に摂るようにしましょう。
また、良い香りはストレス解消にも効果的なので、みかんや、ゆずなどの柑橘系の食材も良いでしょう。
そして「気滞」の状態を改善するには、漢方茶がオススメです。
リラックス効果が期待できるハーブ系の漢方茶を飲んで、ゆっくり深呼吸をするなどして、漢方茶でほっとできる時間をつくって、「気」の巡りを改善しましょう。
次は幸せホルモン(セロトニン)生成を助ける食材です。
セロトニンはこのメルマガでも何度か紹介していますが、心のバランスを整えたり、睡眠や自律神経の調整、痛みの抑制などに関わっている脳内の神経伝達物質のひとつです。
セロトニンの分泌には日光を浴びることが欠かせませんので、私は天気が良い日には、朝のウォーキングでたっぷりと朝日を浴びるように心掛けています。
食材としては、大豆製品、乳製品、肉類(牛レバー、鶏肉)、魚類(マグロ、カツオ)、バナナ、ゴマなど様々なものがありますので、和・洋・中などの色々な料理で摂ることができるでしょう。
続いて、体に潤いを与える食材です。
夏の猛暑で失われた水分や、秋や冬の乾燥した空気へ対処するため、体の内側と外側からの両面からのケアが重要です。
肌の細胞は毎日の食べ物の栄養素から作られるため、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維をバランス良く摂取することが重要となります。
特に、肌の保湿に重要なセラミドの生成を助けるα-リノレン酸や、ビタミンB2、B6、B12、C、Eなどのビタミン類を意識して摂ると良いでしょう。
【セラミド】は角質層の水分を保持し、皮膚を外部の刺激から守る働きがあります。
オススメの食材は、こんにゃく、大豆、黒豆、小豆、ひじき、ワカメなどがあります。
【α-リノレン酸】は細胞膜やセラミドを作る原料になるものです。
オススメの食材は、魚油、アマニ油、えごま油などです。
【ビタミンB群】は新陳代謝を活発にする効果があります。
オススメの食材は、豚肉、レバー、卵、大豆、納豆、玄米などです。
【ビタミンC】はコラーゲンの生成を促したり、抗酸化作用があります。
オススメの食材は、パプリカ、柿、レモン、キウイなどです。
【ビタミンE】は血行促進を図ったり、抗酸化作用、過酸化脂質を分解する効果があります。
オススメの食材は、サーモン、かぼちゃ、アーモンド、アボカド、ゴマなどがあります。
また、貧血気味の女性は肌が乾燥しやすい傾向があるため、肉や魚から鉄分を摂取することも大切になります。

ここまでは「食欲の秋」を念頭にした食材のお話しを差し上げました。
ここからは、メンタル面に視点を移したいと思います。
結論から先に言えば、秋は気持ちが大きく揺れ動きやすい時期ですが、心を安らかに保ち、精神を落ち着かせることが大切だと言うことです。
積極的に新しいことに挑戦してエネルギーを消耗するよりも、じっくりと物事に取り組んだり、内省したりする過ごし方が秋には合っています。
これらの心の準備を通じて、秋を穏やかに過ごし、来るべき冬に心身ともに健やかに備えていくのが良いでしょう。
季節が秋に移り変わる頃、夏の疲れが心や体に表れることがあります。
特に、夏の猛暑や日常のストレスが蓄積されると、心のバランスが崩れることも少なくありません。
このタイミングで適切なメンタルケアを始めることで、健康な心身を維持し、ストレスから解放されることができます。

ここからは、夏の疲れが心に与える影響や、秋に始めるべきメンタルケアのタイミングと方法について掘り下げてみましょう。
夏の夜は気温が高く、十分な睡眠をとることが難しくなることがままあります。
今年の夏の夜は熱帯夜がずっと続いたりしていて、寝室の温度管理をエアコンに委ねることが続きました。
従来のエアコンの使い方であれば、エアコンが睡眠時間の途中で切れるタイマー設定も有効な手段でしたが、熱帯夜から解放されない日が続いてしまう今年のような夏では、暑くて目が覚めてしまい、決して良好な睡眠確保とはいかなかったと思います。
睡眠不足が続くと、心の疲れが溜まりやすくなり、イライラや不安を引き起こすことがありますので、就寝すれば起床時間まで途中で目が覚めてしまうことのない良質な睡眠が不可欠と言えるでしょう。
猛暑で外出する機会が減ることによって、社会的なつながりの不足や、孤独感を感じやすくなることもあるため、精神的なケアが必要となります。
秋は気温が落ち着き、過ごしやすい季節ですが、同時に日照時間が短くなることで気分が落ち込みやすくなります。
季節の変わり目のこの時期に心のバランスを整えるために、早めのケアとして秋にメンタルケアを始めることが重要で、冬に向けた心身の準備が整うでしょう。

では、秋に実践できる具体的なメンタルケア法について簡単に触れてみましょう。
まず大切なことは、規則正しい生活リズムに気を配ることが重要です。
秋は日が短くなり、体内時計が乱れやすい季節です。
規則正しい生活リズムを心がけ、毎日同じ時間に起床・就寝することで、心身のリズムを整えましょう。
また、早めに就寝する習慣を身につけることも大切なことです。
次は、食事・運動・休息のバランスです。
栄養バランスの取れた食事と適度な運動、そして十分な休息が、心の健康を維持するために欠かせません。
秋の旬の食材を取り入れた食事や、散歩など1日で回復できる程度の体に負担のない軽い運動を習慣にすることで、気持ちがリフレッシュ出来ます。
次は、マインドフルネスや瞑想の活用です。
秋は、心を落ち着けるためにマインドフルネスや瞑想を実践するのに最適な季節です。
マインドフルネスとは、過去や未来ではなく、今・ここで起こっているものごとを体験し、ただ目の前のことに集中し、注意を向ける心理的な過程のことです。
静かな環境で心をリラックスさせる時間を作ることで、ストレスを効果的に解消出来ます。
秋は、夏の疲れをリセットし、心の健康を取り戻す絶好の機会です。
適切なメンタルケアを取り入れることで、個々のQOLの向上が図られ、心のバランスを保ちながら、新しい季節を迎える準備も整い、心身ともに健康に過ごすことが出来ます。
まずは、ここで紹介したことだけでなく、多岐にわたる情報の中で自分に合ったオリジナルのケア方法を見つけていただき、日々の生活に取り入れてみては如何でしょうか。
試してみることは次のより良い方法を導き出すための歩みになりますので、色々な方法に挑戦をしていただき、ご自身にあったメンタルケアの着地点を見つけていただきたいと思います。(ま)