ボタニカルってご存知ですか?

さて、今回は「ボタニカル」の話題です。
読者の皆さんは「ボタニカル」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
皆さんは「ボタニカル」の本来の意味をご存じでしょうか?
何となく、「自然由来で体に優しい」というイメージをお持ちなのかもしれません。
「オーガニックとはどう違うの?」と思われる方もおられるかもしれませんので、少し掘り下げてみましょう。

ボタニカル(botanical)とは、「植物の~」や「植物からつくられた」という意味があります。
つまり、ボタニカルとは「植物由来の成分」を含むもの全般を指します。
例えば、ボタニカルと書かれた化粧品などは、「植物由来の成分」が含まれていますよということを指しています。
ですが、ボタニカルと表記するための明確な基準が設けられているわけではありません。
ボタニカル化粧品だからといってすべての成分が植物由来で肌に優しいというわけではないため、この辺りには注意を要するでしょう。
とはいっても、ボタニカルの化粧品などは植物が持つ天然の成分を配合しているので、肌質によっては肌トラブルの原因となる可能性がある石油由来の成分を取り入れたものに比べるとナチュラルで優しいものが多いと言えます。
また、古くから人は「薬草」「漢方」など植物の素晴らしい力を借りて生活してきました。
「ボタニカル」という言葉を最近よく耳にするようになった人も多いかもしれませんが、植物の力で生活を豊かにするという点では、昔からの生活の知恵と共通する部分がありますね。

また、「ボタニカル」はヘアケアや化粧品だけでなく、植物が関わる日常生活のさまざまなものごとに対しても使われる言葉になっています。
例を見ていくことにしましょう。
【ボタニカルコスメ】
ファンデーションやアイシャドウなどのメイク用品や、化粧水や保湿クリームといったスキンケア用品の中には、植物由来の成分を配合した「ボタニカルコスメ」があります。
自然志向が高まりつつある近年、その種類は増えてきており、ドラッグストアなどでも気軽に購入できるようになりました。
「石油由来」の成分を含んだコスメには、石油系合成界面活性剤、防腐剤のパラベン、合成香料などの添加物が配合されていることが多いです。
これらの添加物は香りや色づき、洗浄力などを高めるメリットがある一方で、肌に良くない影響を与えてしまう可能性も指摘されています。
ボタニカルコスメの中でも、石油由来の成分を配合していないものは特に肌への負担が少ないため、最近では毎日のスキンケアに取り入れる方も増えてきています。
【ボタニカルシャンプー・コンディショナー】
シャンプーやコンディショナーにも、植物由来の成分を使用した「ボタニカルシャンプー」「ボタニカルコンディショナー」があります。
これらのシャンプーやコンディショナーは、植物から抽出した「水」「オイル」「エキス」などの成分を使用して作られています。
髪や頭皮に優しく、ダメージや刺激が少ないものを探している方にはおすすめだといえます。
【ボタニカルライフ】
日常生活の中にも「ボタニカル」と呼べるものはたくさんあります。
部屋に観葉植物を飾ったり、植物を育てたりするなど、生活の中に植物を取り入れることを「ボタニカルライフ」とよびます。
生活の中で自然にふれると癒しを感じ、生活がより豊かになりますよね。
観葉植物の中には、マイナスイオンを発生させて空気をきれいにし、リラックス効果を高める効果があるとされる「オリヅルラン」や「サンスベリア」のような植物もあります。
観葉植物だけでなく、家庭菜園で野菜を育てたりハーブを育てたりするのもボタニカルライフの一つです。
とれたてのフレッシュハーブを使ったお茶を楽しんで、気持ちをリセットできるなどリフレッシュ効果も期待できます。
お庭やベランダのほか、小さなハーブなら部屋の中でも育てることができるので、チャレンジしてみても楽しそうですね。
このように、日常のさまざまなところに「ボタニカル」を取り入れてみるのもおすすめですよ!
【ボタニカルファッション】
植物のデザインを施したファッションは「ボタニカルファッション」とも呼ばれています。
自然の中にある植物や花、葉っぱ、実などのモチーフを取り入れた柄を「ボタニカル柄」といい、花柄や葉っぱの柄のトップスやパンツがファッション界でブームとなりました。
今ではボタニカル柄は広く浸透し、定番のデザインとなっています。

ではここからは、ボタニカルと似た言葉に「オーガニック」という言葉がありますが、「ボタニカル」と「オーガニック」の違いについてを見ていくことにしましょう。
オーガニック(organic)とは化学肥料や農薬を一切使用せずに、自然本来の力を最大限に活かした有機栽培によって育てられた植物からとれた成分を利用したものを指します。
「オーガニック」と呼ばれる製品には、JAS法に基づいた「オーガニック認定」を受けた植物成分を含みます。
ただし、認定を受けた植物成分の含有量にも基準はなく、数%でも含まれていれば「オーガニック」と表記されることもあります。
そのため、オーガニックだからといって、成分のすべてが有機栽培によって育てられた植物由来のものではない可能性もありますので、そこはしっかりと押さえておく必要がありそうですね。
前述のとおり、「ボタニカル」は幅が広く、「植物由来の成分」を含んでいれば、その量に関わらずボタニカルとよべるため、オーガニックはボタニカルの一種といえます。
「ボタニカル」と「オーガニック」、どちらがよりご自分の肌に合うかは言葉だけでは判断が難しいものです。
記載の違いだけを判断基準にしてしまわず、どのような成分が入っているのか、自分に合わない成分はないか…といった視点で、スキンケアやメイクアップ製品を選ばれると良いのではないでしょうか。

読者の方で興味のある方は、ボタニカルな暮らしのきっかけとして、是非チェックしてみてくださいね!
「ボタニカル」に限らず、世の中に繁茂しているモノの中には、人によって合う合わないということが多々あります。
ダイバーシティが語られることが多くなった現代社会では、選択肢が多すぎて、どれを選択すれば良いかといったことに直面することもあります。
どうか読者の皆さん方には、リテラシーを高めていただき、自分の考え方や毎日の生活に照らして果たしてこれはどうなのかをご判断願うことで、これなら自分に合っているという判断であれば、自由に取り入れていただければと思います。
そうすれば自分自身のQOL向上へと繋がっていく道が広がって行くでしょう!(ま)