well-beingのない世界
さて、今回はロシア軍によるウクライナへの侵攻についてです。
2月24日、ロシア軍はプーチン大統領の命令を受け、ロシア本国だけでなく、隣国のベラルーシや2014年に国際的な承認を得ずしてロシアに併合したクリミア半島からウクライナへの侵攻を開始しました。
日本でも毎日ウクライナの状況をニュースで流しながら、著名人やコメンテーターがそれぞれの切り口で即時停戦を求めるコメントを述べています。
国連総会の緊急特別会合では、軍事力によるロシアの卑劣で一方的な現状変更の行動を非難するとともに、軍の即時撤退などを求める決議案が141か国の賛成多数で採択されました。
戦火を避けて隣国へ避難した難民は、3月6日現在で150万人を超えています。
こうした避難民の多くは非戦闘員である高齢者や子ども、女性といった人たちです。
また、ロシア軍は攻撃しているのは軍事施設だけだと言っていますが、民間人が住んでいる建物や、避難してきた人を収容している学校などもミサイルやロケット砲の標的とされている事実があり、死者や負傷者が多数出ています。
今はスマートフォンでそこそこ鮮明な映像を撮ることが出来ますので、ロシア軍が発表したことの真偽はすぐに明らかにされるとともに、フェイクを見破った映像は瞬く間に世界へと発信されています。
このような民間人に多大な被害が及んでいる映像をみて、真っ先に心の中を駆け巡ったことがあります。
それはQOLジャパンが目指している「身体的、精神的、社会的に、良好な状態になること」と言われているwell-beingが、ウクライナの人たちには存在すらしていない現実があること。そしてそれは隣国である侵略戦争を始めたロシアの人たちにも当てはまることです。
平和な日常が、侵略戦争により命を失うリスクが高まる現実へと変貌してしまったのです。
ウクライナの人たちには、大切な命と財産を失うリスクがあり、徴兵制度のあるロシアでは、侵略戦争へ兵士として行って物言わない骸になって帰還するリスクがあると言えます。
また、ウクライナでは、大切な家族が散り散りになってしまうことは、兵士となる男性の出国が出来なくなった時点で当たり前のようににそこら中で起こっています。
抱き合って別れを惜しむ姿は、well-beingとは真逆であることを私たちに痛烈に伝えています。
子どもと父親とパートナーを10年間で相次いで失った私にとっては、家族と別れる辛さは身にしみているので、ウクライナのこの手のニュース映像を見ると心が痛むとともに自分の無力さにも気付き、その気付きが改めてQOL向上の大切さを痛感させてくれます。
今後どういった現実が待っているかは全く予想がつきませんが、両国のみならず世界全体でwell-beingが失われるか、そぎ落とされるかの時が来るかも知れません。
ロシアとウクライナ、NATO加盟諸国だけの問題ではなく、これは我々日本人としても多くの的確な情報を得て対処をしていかなければ、どこかで舵取りを誤れば対岸の火事では済まないリスクをはらんでいることを肝に銘じなければと考えています。一度壊れたwell-beingを元通りにするには多くの時間と資源が必要とされることを考えると、今動き出すことで少しでもみんなの負担軽減が行えると言えるのではないでしょうか。
そして、傷が浅いうちであれば、大きな痛手を負ったウクライナの人たちを救う行動に移ることが出来ると思っています。
ここまで来ると中々振り上げた拳の降ろしどころが見つかり難いですが、日々双方に死者や負傷者が増えていく現実をみて、well-beingの再構築に向けて当事者のみならず、全世界で知恵を出し合って解決へ向け舵を切っていただけたらと切に願います。
平和があってこそのwell-beingを今一度みんなで確かめ合い、QOL向上を目指しましょう!
そしてまた笑顔で家族がひとつになれる社会が来ることを心から願って止みません。