春のメンタルヘルス予防法
さて、今回の話題は「季節の変わり目にご用心」という話です。
読者の皆さんは新年度と言えば何が思い浮かびますか?
入学式や入社式など、新しい世界へ一歩踏み出していく希望のイベントが開催される
時期。また、社会人でサラリーマンの方にとっては、人事異動の季節でもあります。
ただこの時期は喜ばしいことの裏返しで、人事異動や入学・入社などで環境が大きく
変わり、新しい環境の変化に対応しきれずに、うつなどのメンタルヘルス不調を訴え
る人が増える季節でもあります。
こうしたストレスへの耐性を高め、新しい環境にスムーズになじむためにやってほし
いことがあります。
そもそも職場の悩みの多くは、対人関係が原因で生まれます。
特に新しい環境となると、初対面の人に囲まれて仕事をしなくてはならなくなり、さ
らに悩みは生まれやすくなるといえるでしょう。
相手に気をつかい過ぎたり、苦手な人がいたり、日々の人間関係でエネルギーを使い
果たし、へとへとになることは容想像想像できます。
では新しい対人関係のストレスを減らすには、どうしたらよいでしょうか。
一番手っ取り早いのは新しい環境で出会う人たちの情報を予め知っておくことです。
事前に少しでも知っていることが多いと、想定内の対策は可能となり、心の準備がで
きて余裕が生まれます。
孫子の兵法の重要なセンテンスである「敵(相手)を知り己(自分)を知らば百戦危
うからず」です。
ですから新しい環境に入る前には、事前に集められる情報は集めておきましょう。
部署異動であれば、事前に挨拶がてら訪問させてもらって雰囲気を体感しておくのも
いいですし、先に同じ部署の人の名前を覚えておくと、いざ異動してからもストレス
を軽減することができます。
もし異動先に同期入社などの知り合いがいるなら、部署内の人間関係についてあれこ
れ聞いておくこともいいでしょう。
「何かするなら、この人の了解をとっておいたほうがいい」といった、キーパーソン
の情報などはスムーズな仕事の進捗を図る上でも、職場の人間関係をよくすることに
も繋がるため、情報を入れておきたいところです。
次は、生活リズムに関するアドバイスです。
やはり基本は早寝早起きです。
そして規則正しい生活リズムが重要になります。
新卒の人や転職する人は、入社前に休暇が取れるケースも多く、つい気がゆるみ、生
活リズムが乱れがちになります。
そのまま入社を迎えると、仕事が始まってからもそれまでの不規則な生活による睡眠
不足で疲れがすんなりと取れず、どんどん新しい仕事を覚えていかなければいけない
のに、頭がしっかり働かないということになりかねません。
起床時間から逆算して7時間ぐらいは睡眠時間をとり、朝も決まった時間に起きるよ
うに心掛けましょう。
そして、心身の状態を最高の状態にするためには、朝の習慣がポイントになります。
朝起きたら、まず顔にしっかりと1分間、朝日を浴びます。
日の光が目から入ることで、体内時計がしっかりとリセットされて、眠気を誘発する
“メラトニン”というホルモンの分泌が止まります。
そして15時間後には再びメラトニンが分泌されて、自然な睡魔がやってくるので、夜
にはしっかりと睡眠がとれるようになります。
また、朝ごはんも重要です。
朝ごはんを食べると、身体に「朝が来たよ!」というサインを送ることになるので、
そこから寝ていた身体が起き出します。
ですから、これまで朝ごはんを食べなかった人も、新しい生活に向けて朝ごはんを食
べる練習をして、習慣づけをしておいたほうがいいでしょう。
とはいえ、なかなか時間がとれない、朝は食欲がない、という人もいます。
そういった人に、「バナナ・ヨーグルト」を食べるようにお勧めします。
なぜならバナナと乳製品には、幸せホルモンといわれる“セロトニン”の原料となるト
リプトファンというアミノ酸やビタミンB6が豊富に含まれているからです。
しかも、バナナは皮をむくだけ、ヨーグルトはふたを開けるだけ、と面倒な準備も調
理も不要です。
忙しい朝には持って来いですので、とりあえずバナナ・ヨーグルトだけでも食べて朝
からの活動に備えましょう!
これからやってくるストレスに対応するためにも、しっかりとセロトニンを作って、
メンタルヘルス不調になりにくい生活習慣を作っておいてください。
今回は春という季節に起こりがちなメンタルヘルスを予防するために出来ることで、
新たな対人関係におけるストレスマネジメントの方法と規則正しい生活リズムの構築
についての話をしました。
読者の皆さん方には、これらの話を参考にしていただき、ご自身のQOL向上に役立て
ていただければ幸いですし、周りにメンタルヘルス予備軍かなと思しき方がおいでに
なれば、アドバイスをしていただければどうでしょうか。
みんなでQOL向上を目指しましょう!