今注目の「おてつたび」とは?
さて、今回の話題は人手不足で困っている地域と地域で働きたい想いのある若者をつなぐお仕事マッチングサービスの「おてつたび」のお話しです。
では、「おてつたび」とはどんなコンセプトをもって、具体的にどんなことをしているのでしょうか。
まずは代表取締役の永岡さんのお話から。
株式会社おてつたびは、事業者の方々にとっての「パートナー」として、また、参加者にとって、より魅力的な地域を知ってもらうための「案内人」として、活動しています。
日本にある、本当にいい人、いいもの、いい地域を広めていくにあたり、ぜひお力添えいただければ幸いですとおっしゃっています。
永岡さんのお話の中で重要なファクターは、「地域」と「人」です。
いい地域は動かせないですが、目的を持って活発に動くいい人で地域の良さをまだ知らない多くの方々に知っていただくことが大切だとをおっしゃっているのだと思います。
「おてつたび」は、お手伝い(仕事)と旅を掛け合わせた造語で、地域の短期的・季節的な人手不足で困っている農家や旅館などの事業者と、「知らない地域へ行きたい!」「仕事をしながら暮らすように旅したい」と、地域に興味がある人をマッチングするwebプラットフォームです。
「おてつたび」参加者は、お手伝いをすることで事業者より報酬を得ることができるため、旅費自体の削減が可能です。
そしてここが一番の肝だと言えるのが、「誰でも簡単に知らない地域で仕事をしながら旅をし、お手伝いを通じて地域や事業者さんのファンになって帰る世界を目指している」というところではないでしょうか。
「おてつたび」を利用するまで「おてつたび」先の地域をほとんど知らなかった参加者が6割以上と多く、おてつたびの受け入れは地域外の方にまちを知ってもらう良き機会にもなっています。
また、6割以上の参加者が「おてつたび」終了後に地域を再訪しており、最近では移住につながった事例もあります。
参加後には地域への印象も9割近くの方が「とても良くなった」「良くなった」と回答しています。
このことから、やはり「百聞は一見にしかず」のことわざどおり、何度も聞くより、一度実際に自分の目で見て経験をしていただくことが大切なんでしょうね。
この結果は、正に「おてつたび」を運営してきた目論見が実を結んでいる確固たる証であると言えるでしょう。
では、実際にどのようなものが「おてつたび」として登録されているのか、そして受け入れ先の地域の方々の想いをを覗いて見ましょう。
【日帰りでいちご定植作業のお手伝いを受け入れ】
今回初めての「おてつたび」を利用して、参加者の皆さんが”アルバイト”という感覚ではなく、”人の役に立つお手伝い”という感覚をもって来てくださっている感じがあり、さらにこの農作業の中から何かを学び取りたいという姿勢も見受けられました。
日帰りの利用でも参加者の方が非常にモチベーション高く作業してくれたので、効率も上がり、こちらにお願いして本当に良かったと思います。
【繁忙期のキャンプ場で受け入れ】
力仕事をお手伝いしていただいて非常に助かったことはもちろん、ここのファンになってもらうといった部分でもとても実のあるものであったかなと思っています。
今回の方々はまた来てくださると思いますし、将来一緒に仕事ができたらいいね、なんて話もしました。
最初はもちろんこの仕事してこの仕事してと一つ一つ指示しながらやっていたのですが、徐々に我々が気付く前に彼ら自身が仕事をみつけてやってくれたり、働く時間以外も主体的に動いてくれたり、即戦力として、本当に助かりました。
このコメントでも分かるように、地域の事業者と参加者は前述の永岡さんがおっしゃるように、雇い主と労働者という関係ではなく、WinWinのパートナーの関係が構築されていると言えます。
さて、ここまで「おてつたび」のご紹介をしましたが、読者のみなさん、特にシニア世代のみなさんにとっては、この事業は若者向けの事業なので、シニア世代は無理じゃないかなと思われる方がおいでかも知れませんが、基本的には年齢制限はなくシニアも参加が可能です。
若者は夏休みなどの期間を利用することが多く、また現役の社会人は土日の休み+祝祭日+有給休暇の利用となりますが、社会人の場合は公務員のように兼業禁止が法律で定められている場合もあり、職場のコンセンサスを得られる範囲での活動とならざるを得ません。
若者や現役社会人と比べれば、シニア世代は参加できる期間は1年を通して融通がききますし、長期の期間も対応が可能です。
また、参加者側から見れば期間内での休みの日を周辺の観光に当てることも出来るため充実した「おてつたび」になること間違いなしではないでしょうか。
自分にとって出来そうなものを事業の中から選択できるので、あくまでも参加する方が「これならできるかも知れないな」と考えてエントリーすればいいのです。
ですから、シニアの方にとっては全くの未経験のことにチャレンジすることも出来ますし、今まで培ってきた経験を活かしていくことも出来るわけです。
そして、「おてつたび」の経験を積むことで、新しい自分に出会えることにも繋がりますし、何より退職を経て方向性を見いだせない方にとって、自分を必要としてくれる世界があるという発見が人生100年時代の礎の構築に大きく役立ち、人生の後半戦の方向を見いだせるトリガーとなっていくことでしょう!
「おてつたび」は、自分の可能性を信じて、自信を失うことなく、勇気を持ってトライするシニアを応援する事業として、これからも益々注目されることになるでしょうね!
そして、地域に興味をお持ちの方、人とのふれあいが大好きな方、または、人との出会いや自分の可能性のヒントに飢えておられる方にとって、選択肢のひとつとしてお考えいただければ幸いだと思います。