SNS型の詐欺にはご注意を!

さて、今回の話題は「ネット関連トラブルへの対処方法」についてのお話です。

わたしたちの生活において、今やスマートフォンなどの情報機器は手放せなくなり、インターネットはなくてはならないものとなっています。
時間や距離を気にせずに世界中の様々な情報をいち早く入手できることや、コミュニケーションツールとして大変便利で、娯楽としても楽しめるなど、その利点を挙げればきりがありません。

しかしながら、5G(ファイブジー)の通信サービスが普及し、さらに生成AI(人工知能)が登場したことによって格段と生活上の利便性が増す一方で、それらの技術を悪用した新たな犯罪やリスクが生まれ、これまでに無い数々のトラブルが続出しています。

ここ最近では、皆さんもお聴きになったことがあると思いますが、著名人をかたって偽広告などを使い、架空の投資話でだます「SNS型投資詐欺」による被害が急増しています。
警察庁によると、2023年だけでもその被害総額は約277億円に上っており、驚くべき被害の実態が明らかになってきました。

今年から始まった 新NISA(少額投資非課税制度)によって、投資への関心が一挙に高まり、「貯蓄から投資へ」の流れとなりつつある中、このような SNS型投資詐欺 による被害報道 の影響で、過度なネガティブ感情が生まれないか、心配になってしまいます。

そのためにも、世の中にあふれている間違った偽情報から正しい情報や知識を選択し活用できるリテラシーの必要性はますます高まっているのではないでしょうか。

SNS型投資詐欺の主な誘い込みの手口は、SNSが発端となっているケースが大半で、やり取りを通じ、時間を掛けて被害者との信頼関係を築いていくといった非常に巧妙な手口で、一度信用してしまうと、長期間にわたって何度もお金をだまし取られてしまいます。

具体的には、SNS型投資詐欺という名の通り、やり取りのきっかけは、SNSの友達登録や投資グループ(チャット)に招待されることが発端となっています。
次に著名人の起業家や経済アナリストから指導を受けられると説明を受け、まんまと信用させた上で、さらに先方より勧められた投資アプリであたかも利益が出ているかのように見せかけ、最後になって新たな出資や手数料といった名目で意図しないお金を振り込ませるというのが一般的な手口です。

こんなやり方で詐欺に遭うのか? と思われる方もあるかもしれませんが、最近の手口は非常に巧妙で、投資に関する経験不足やお金を増やしたいという願望につけ込み、現在も深刻な状況が続いています。

昨今の生成AI(人工知能)の発達で広告の作成が容易になり、翻訳機能も高度化したことで、国際的な詐欺集団による悪用事例もあとをたちません。
今回問題となっているSNS型投資詐欺においても、ディープフェイクと呼ぶ精巧な偽動画を作る技術を悪用して、無断で著名人を「広告塔」にする動きが表面化しているのです。
SNS型投資詐欺の被害者は40~60代が多く、一人で1億円超の被害に遭う事例も26件と相次いでおり、警察庁も対策を強化していますが、このSNS型の投資詐欺は被害者との接触はネット上に限られ、また海外組織の関与も疑われるものもあるなど発信元の特定が難しく、犯罪組織の解明は容易ではありません。
残念ながら今の法整備では、被害を受けたとしても、自己責任とならざるを得ません。

詐欺グループは、「必ずもうかる」「絶対に値上がりする」「元本を保証するから損しない」などといった儲け話を投げかけ、投資への関心をあおります。
また、急がせるのも常套手段のひとつです。
詐欺を警戒するには、“ お金が必要 “ という話や、“ お金が受け取れる “ という話が出たら要注意です。

それは投資詐欺だけではなく、SNSを使って恋愛感情などを抱かせ、金銭をだまし取る「SNS型ロマンス詐欺」でも同じです。
直近の2024年1~3月に全国で判明した被害件数は、SNS型の投資詐欺が前年同期の6倍以上に増加、そしてロマンス詐欺も、たったの3ヶ月だけで被害件数は前年同期の約2倍に増加し、被害額は何と約60億円にもおよんでいます。

とんでもないことですね。詐欺に遭われた方々のことを思うと、人ごととは思えません。
本当に信じられないことが起こるもので、困ったものです。

残念ながら、世の中にリスクはつきものです。
100%安全はあり得ません。
世界は今、きってもきれないほどのデジタル社会の渦中にあり、普段の生活においても、リスクを完全に排除することは不可能です。
望むと望まざるとにかかわらず、これからは急速に生成AI(人工知能)を活用した商品やサービスがあふれかえる世の中になることは間違いないと感じます。

そこで、ここからはあらためて何か問題が起こった時に、どうすれば良いか、相談先をまとめてみることにいたしました。
不審な勧誘があったときや詐欺に遭ったんではないかと感じた場合は、まず身近な相談先として、消費者ホットライン「188」(いややと覚えましょう)、
又は警察の専用窓口「#9110」で電話相談ができます。

○消費者ホットライン 「 188(全国統一番号)」
日本全国のお近くの消費生活相談窓口が案内されます。
消費者ホットラインは、「誰もがアクセスしやすい相談窓口」として開設されたものです。
万が一、消費者ホットラインに電話した際に、都道府県や政令市の消費生活センター等の電話が話し中でつながらない場合には、国民生活センターの「平日バックアップ相談」の電話番号がアナウンスされます。
そのほか、土日祝日など、都道府県等の消費生活センター等が開所していない場合でも、国民生活センターに電話がつながりますので、トラブルや詐欺が疑われる場合は、取り急ぎご相談されることをおすすめします。
(一部地域や年末年始、国民生活センターの建物点検日を除く)
尚、来訪や文書での相談は受け付けておられませんのでご注意ください。詳細につきましては消費者ホットライン(消費者庁)をご覧ください。

※消費生活センターは、地方公共団体が運営する消費者と事業者間のトラブルに関する相談窓口です。
規模や体制、名称は自治体によって異なりますが、商品やサービスなど消費生活全般に関する苦情やお問合わせなど、消費者からの相談を専門の相談員が公正な立場で処理してくれます。

○警察の相談専用電話 「#9110(全国統一番号)」
全国どこからでも、電話をかけた地域を管轄する警察本部などの相談窓口につながります。
事件、事故など緊急の場合は、「110」番を利用しますが、生活上の安全に関わる悩みごと、お困りごとなど、緊急でない相談の場合はこの「#9110」番をご利用ください。

また、警察庁の公式ホームページには、「サイバー事案に関する相談窓口」という紹介ページがあり、“よくある相談事例と対応方法“ が掲載されていますので、リスクへの備えを図る上でもぜひ参考にされると良いと思います。
ここでは、“よくある相談事例“ に記載のあるサイバー事案のタイトルのみを紹介させていただきます。
・ランサムウェア被害防止対策
・Emotet対策
・フィッシング対策
・ウェブサイト改ざん対策
・「偽サイト」「詐欺サイト」に注意!
・有料サイトの料金請求に注意
・インターネットオークション・フリマサイト利用時のトラブル相談
・サポート詐欺対策
・ビジネス詐欺メールに注意!
・インターネット上の誹謗中傷等への対応
・基本的なセキュリティ対策

以上となっておりますが、いかがでしょうか?
本当にびっくりです。ネット関連トラブルには、こんなにもいろいろなトラブル事案があるんですね!
そのほかにも警察庁には、サイバー警察局という組織があり、専用ページの新着情報の中に「サイバー警察局便り」が毎号掲載されていますので、これも注意喚起を促す情報として大変役立つと思います。

わたしたちシニアにとって、ことデジタルに関しては、ビジネスなどで普段使いされていない限りどちらかと申しますと不得手で、「デジタルデバイド」ではないとしても、スキルや知識が追いついていません。
一旦ネットトラブルに見舞われると、あっと言う間にQOLも下がってしまいます。
ですので、できれば多少の料金はかかりますが、「セキュリティソフト」を普段からパソコンやスマートフォンに導入しておかれることをおすすめします。
ウイルス対策だけではなく、オプションサービスとして電話でのサポートなども受けることができれば、いざというときに大変助かります。

今回の話題は、ネット関連トラブルへの対処方法について述べて参りましたが、手強い詐欺師の心理作戦に、落ち着いていれば気づくはずの簡単なウソでも、慌ててしまうとだまされやすくなってしまいます。
お金の話が出たとき、これは何!と思った時には必ず第三者に相談しましょう!
一人での判断は禁物です。
わたし自身も、改めて気を引き締め注意して参りたいと思っているところです。                        ぜひ皆さまもご注意くださいませ。(ふ)