100歳芸人目指して

さて、今回の話題は、こうありたいなぁと思える方のお話しです。

先日の日本経済新聞に「人生100年の羅針盤」という題目で、漫才師の西川きよしさんの話が掲載されていました。
QOLジャパンのメルマガでも度々登場する”人生100年”が目に留まったので、何々と興味本位で読んでみました。

まず、西川きよしさんのプロフィールから。
西川きよしさんは1946年に高知市でお生まれになりました。
1963年に芸の世界へ足を踏み入れ、その後横山やすしさんと漫才コンビ「やすし・きよし」を結成して80年代の漫才ブームを牽引されました。
また、1986年に参議院選挙で初当選され、以来3期18年間に渡って国会議員を務められました。
2016年には旭日重光章を受章され、2020年に漫才師として初めて文化功労者として顕彰されました。
そして来年で芸能生活60周年を迎えられます。

記事の中で目をひいたのは、きよしさんの人生訓のような言葉です。
両親に幸福な生活をさせてあげたい。そのためには目の前の仕事を毎日きちんと手を抜かずにコツコツとやり続ける。
この言葉は当たり前のように聞こえますが、頭では分かっていてもいざ実践となるとひとときはできたとしても継続していくことの困難さは尋常ではありません。

また、刑務所と高齢者施設への訪問公演の難しさも語っておられます。
受刑者相手の刑務所での公演は、時事ネタや下ネタはNGです。受けすぎると看守さんのチェックが入ったそうで、ネタの線引きの難しさを感じ取られ、毎回が勉強だったとおっしゃっています。
お客さんによってネタを上手に変えていく努力と技は、流石にこれぞプロフェッショナルと呼べるのではと感心しました。
高齢者向けのネタについては、実生活に基づいた「あるあるネタ」をやると、高齢者も施設の担当者も実感が伴うことで大変ウケがいいそうです。
実生活で実際にあることや感じることを、お客さんと同じ目線で面白くネタにするきよしさんのスタンスは、パートナーのヘレンさんのお母さんや自身の両親との同居によって、介護する立場で高齢者をよく観察されてきた賜物ではないでしょうか。

横山やすしさんとの名コンビで「しゃべくり漫才」で一時代を築き、漫才の真骨頂を描いてきた西川きよしさんはおっしゃいます。
ベースが同じネタでも、時代の変化に合わせてアレンジすればそのネタは生き続けますと…。
落語に古典落語があるように、漫才でもずっと語り継がれるような古典漫才を作りたいとやすしさんとよく話されていたそうです。
今でもたまにやすきよ漫才を拝見することがありますが、テンポ良くポンポンと飛び出すボケとツッコミは、笑いの多様化が進んだ現代においても全く古さを感じさせることなく生き続けていると驚嘆させられます。

そして、これからの目標はと聞かれると、
「これまでお世話になった方々にお返しをしたい。訪問公演も続けたいし、舞台にも立ち続けたい。コツコツと100歳までお笑いの仕事ができたら幸福です。」とおっしゃっています。
きよしさんの座右の銘は「利他の精神で感謝忘れず」と大きく紙面に書かれていたことが私の心に刺さりました。

QOLジャパンの考えの基本も「利他の精神」にあります。
私自身に照らしても、人生100年時代の中でQOLジャパンの活動の一つである色々な事案をメルマガで発信していくことをできるだけ現役で長く支えていくことが、即ち「利他の精神」に直結するものだと強く感じました。
QOLジャパンは、あらゆる人のwell-beingの実現に向けてこれからも活動を続けていきます。
私も健康に留意してこれからも一層「利他の精神」の実践を積んでいけるようがんばりたいと思っています。