幸福度とは主観的なもの

私たちの、おそらく誰もが「健康で幸せな人生を送りたい」、そして「家族には健康で心豊かな生活を送ってほしい」と日々願っていると思います。

国連では毎年、国際幸福デー(3月20日)に合わせて世界の幸福度ランキングを示した「世界幸福度報告書」を発表しています。
最新の2021年版では世界149カ国中、フィンランドが4年連続で1位となり、2位がデンマーク、3位がスイスで、上位は北欧諸国がほとんどを占めています。そして日本は4つ順位を上げての56位でした。なんとなく上位は、「SDGs達成度ランキング」上位の国々と良く似ていますね!

今年で9年目の本報告書ですが、世界保健機関(WHO)がパンデミック(世界的大流行)を宣言中に実施された、まさしく「新型コロナウイルス禍での幸福度調査」となりました。

この調査における幸福度とは、自分の幸福度が0から10のどの段階にあるかを答える世論調査によって行なわれ、自己評価により得られた数値の平均値であり、そういった意味では主観的な値となっています。
ここでは幸福度を、6つの説明変数(人口あたりのGDP、困ったときの相談者の有無や社会的支援、健康寿命、人生における選択の自由度、他者への寛容さや寄付の度合い、楽しさの自己認知や不満・腐敗の深刻さ)を用いて総合評価がなされています。

今回、わたしが意外に感じたことがあるのですが、それは報告書の著者の方が述べられた内容でした。
それは「コロナ禍で日常生活にさまざまな制約があったにもかかわらず、平均では幸福度は低下していなかった」ということです。
フィンランドなど北欧の幸福度上位国では、全員に影響する共通の外的脅威と認識されたことで信頼関係が深まり連帯感や人々のつながり、仲間意識が一層高まったことがその理由の一つではないかと記されていたのです。

幸福度は個人の主観によって変わるもので、捉え方次第、危機に際してさえ悲観するばかりでなく非常に前向きでポジティブな考え方をされていることに大変感銘を受けました。
最近は孤立や孤独の話題が多い中で、「人とのつながり」の重要性を改めて認識することができ、大変素晴らしいことと感じた次第です。