キャパオーバーにご注意を!

さて、今回の話題はキャパオーバーについてです。

読者の皆さんの中には、仕事やプライベートでいっぱいいっぱいになった経験がある人は、少なくないのではないでしょうか?
こういった状態のことをキャパオーバーと呼びます。
今回のお話しでは、キャパオーバーになったときのサインや、キャパオーバーになりやすい人の特徴・原因について触れながら、対処法についてもご紹介します。

まずは、キャパオーバーの基本について知りましょう。
キャパオーバーとはどんな状態で、どのような人がなりやすいのかを理解すれば、自分自身がキャパオーバーなのかどうかが判断しやすくなります。
キャパオーバーは、英語で「容量」を意味する「capacity(キャパシティ)」と、「~を超えて」という意味の「over(オーバー)」を合わせた、和製英語「キャパシティオーバー」の略語です。
単語の意味の通り、人あるいは物の許容範囲を超えていることを指します。
例えば、「やることが多すぎてキャパオーバーだ」「負荷が大きすぎてサーバーがキャパオーバーになりそうだ」という風に使われます。

それでは、キャパオーバーになりやすい人の特徴にはどういったものがあるのか、3つ挙げてみたいと思います。
・責任感が強い
・完璧主義者
・人に頼るのが苦手
もう少し噛み砕いて言うなら、「きちんとやらなければ」「完璧にこなさなければ」「自分で全部やらなければ」と、自分を追い込んでしまうことがキャパオーバーにつながっていくと言えるでしょう。
スマートにタスクをこなすには、ときには人に助けを求めることも必要となります。
全てを1人で完璧にこなそうとしないで、周囲の人たちと助け合うことでキャパオーバーを防ぐことができるでしょう。

続いて、キャパオーバー時のサインについて紹介しますが、次の3つの兆候がある場合は、キャパオーバー状態に陥っているかもしれませんので、ご自身で一度診断をしてみてください。

・ミスが増える
 これまで難なくこなせていた仕事や、簡単な作業でミスが増えるのは、キャパオーバーのサインである可能性があります。
 通常であれば見直して間違いに気付けるところも、キャパオーバーの状態だと注意力が散漫になり、見落としてしまうことも少なく  ありません。
 キャパオーバーになると焦る気持ちに追われて、冷静な思考・判断ができなくなるため、焦らずに一度立ち止まってみることが重要 です。
 今までの自分と明らかに違うと感じるミスが増えた場合は、自身のキャパオーバーを疑ってみましょう。

・すぐにイライラする
 キャパオーバーになると、気持ちに余裕がなくなり、ちょっとしたことでもイライラしやすくなります。
 普段なら受け流せる同僚の冗談にいらだったり、上司からの注意を素直に聞けなかったりと、ネガティブでマイナスな気持ちが先行しがちになります。
 また、職場の人や家族など周囲の人にイライラをぶつけてしまい、関係がギクシャクしてしまうこともあります。
 自分自身の気持ちが落ち込むだけでなく、周囲にも影響を与える可能性があるため、常にイライラしていると感じたら注意が必要でしょう。

・泣きたくないのに涙が出る
 悲しくないのに涙が出てきたり、ちょっとしたことですぐに泣いてしまったりという場合は、深刻なキャパオーバーに陥っている可能性があります。
 自分の意思に反して涙が勝手に出てきてしまうのは、心と体がSOSを発している状態といえるでしょう。
 このようなサインが出たら、まずは心身を休めることが重要です。
 このSOSを無視して頑張り続けると、心身に不調をきたしてしまう危険性もあるため、無理をせずしっかりと休息しましょう。

それでは、なぜ人はキャパオーバーになってしまうのでしょうか?
キャパオーバーを引き起こす、主な3つの原因について触れてみましょう。

・抱えているタスク(仕事や作業)が多すぎる
 自分が抱えられる以上のタスクを与えられると、キャパオーバーを引き起こす原因となります。
 単純に仕事量が多い場合もあれば、職場全体が人手不足というときもあるでしょう。
 特に、退職・異動などで人の入れ替わりが発生したときに起こりやすく、個人で解決するのはなかなか難しい問題です。
 業務量が多くキャパオーバーだと感じたら、仕事の配分や労働時間について、上司などに相談する必要があるでしょう。

・優先順位のつけ方が分からない
 やるべきタスクに対して優先順位がつけられずに仕事がどんどんたまってしまうのも、キャパオーバーとなる原因の1つです。
 優先順位を決めないと、複数のタスクを同時進行して全て中途半端になってしまったり、時間のかかる仕事から取りかかってしまって、期日に間に合わなくなったりする可能性があります。
 まずは、現在自分が抱えているタスクをリストアップし、緊急性や重要度の高いものから順に手を付けるようにしましょう。
 また、1つ1つの業務について、締切を明確にしておくことも重要です。
 どの仕事をいつまでに終わらせる必要があるのか、スケジュールを作成するのがおすすめです。

・断れない
 「仕事を依頼されると断れない」「予定があるけど帰りたいと言い出せない」など、NOと言えない性格もキャパオーバーの原因です。
 「相手に嫌われたくない」「できる人だと思われたい」「困っている人を助けたい」など断れない理由はいくつか挙げられますが、結果としてキャパオーバーになってしまっては、どれもかなえることができません。
 相手の願いを聞くことや手助けをすることは、仕事において大事ではありますが、自分の首を絞めることにならないよう、できる範囲で請けおうようにしましょう。

では、キャパオーバーになっていると感じたら、心身を守るためにも現状を改善する必要があります。
対処法をご紹介しますので実践してみましょう。

・同僚や上司に相談する
 キャパオーバーになってしまったら、まず同僚や上司に相談しましょう。
 周囲に相談することで、同僚に仕事を手伝ってもらえたり、上司に仕事の割り振りを変えてもらえたりなどの、解決策を取ることができます。
 人に頼るのは申し訳ないと感じる人もいるかもしれませんが、1人で抱え込んで結果的にミスが増えたり期日に間に合わなかったりすると、余計に迷惑をかけることになります。
 スムーズに仕事を行うためには、周囲を頼ることも大切です。
 遠慮の気持ちは捨てて、積極的に相談してみましょう。

・休暇を取る
 キャパオーバーで心身ともにいっぱいいっぱいになってしまったら、思い切って休暇を取るのもおすすめです。
 「やることがたくさんあるのに、休むなんてとんでもない」と感じる人もいるでしょう。
 しかし、キャパオーバーの原因から一旦離れてリフレッシュすることで、結果として効率アップにつながります。
 焦った状態でタスクを実行するよりも、気持ちに余裕のある状態で行う方がスピードも精度も上がります。
 仕事において最高のパフォーマンスを発揮するためにも、休む勇気を持ちましょう。

・転職する
 「どうしても解決できない」「仕事に拒否反応が出る」という場合は、転職するのも1つの方法です。
 社員の人数や能力次第では、解決しようにもできないということもあるでしょう。
 会社として解決が望めないのであれば、職場を変えるのも一案です。
 自分自身の新しい可能性を探るためにも、転職を視野に入れて考えてみましょう。

キャパオーバーになる原因は、人によって異なります。
まずは、自分にとっての原因を突き止め、現状を改善するために行動してみるのがいいでしょう。
キャパオーバーのまま走り続けてしまい、気付かないうちに心も体もボロボロになっていたというケースは少なくありません。
心身ともに健康に働き続けるためにも、キャパオーバーだと感じたらすぐに周囲に相談して、無理せず自分のペースで進んでいきましょう。

ここまでは働き盛りの方々におけるキャパオーバーについて触れてきましたが、キャパオーバーは仕事だけでなくリタイヤした後、地域活動や生涯学習の分野でも起こる可能性はあります。
「抱えているタスク(仕事や作業)が多すぎる」であったり、「優先順位のつけ方が分からない」や「断れない」といったケースが感じられるなら、キャパオーバーを疑うと共に、大事になる前には前述した対処法を参考にして、適切な措置を講じていただければと思います。