玄米食の効果を知ろう!
さて、今回は玄米に関することを深掘りしていきたいと思います。
玄米は白米よりも栄養価が高く、ダイエット効果や抗酸化効果、生活習慣病の予防効果などが期待されるため、ここ数年で玄米食を選ぶ人が増えています。
しかし、素材自体は白米も玄米も同じなため、栄養素や効果にどのような違いがあるのが分からず、疑問に思う人もいるでしょう。
また、「玄米を毎日食べるのはあまりよくない」といった情報も目にすることがあります。
そこで、その情報は正しいのかどうかといった検証と、玄米を毎日食べることのメリットとデメリットをご紹介して、玄米食が私たちのQOLへどのように関わってくるのかを見て行きたいと思います。
先ず、3つの事柄について検証していきたいと思います。
ひとつめは、食物繊維を摂りすぎるのでは?についてですが、ここで厚生労働省の方向性を確認しておきましょう。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、食物繊維の摂取目標量は成人男性で21g/日以上、成人女性で18g/日以上としています。
食物繊維の摂取不足が生活習慣病の発症率や死亡率に関連していることがわかってきているので、目標量の下限のみが設定(3歳以上)されました。
最新版の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食物繊維摂取量が多いと排便頻度が高くなったり、慢性便秘の改善に効果的なことが報告されています。
また、理想的な食物繊維の摂取目標量は、成人で25g/日以上と考えられるとのことですが、現実的にはその実行可能性を考慮して、それより低く設定されていると残念なコメントが綴られています。
では、本題に戻しましょう。
玄米ごはんに含まれる食物繊維は100gあたり1.4g(プロスキー変法:不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をそれぞれ測定し、その合計を食物繊維総量とする方法)ですから、玄米ごはんを1日1000g食べると摂取できる食物繊維は14gとなります。
玄米ごはんお茶碗1杯で約150gなので、玄米を毎日ふんだんに食べたとしても、理想的な食物繊維の摂取目標量を大きく超えてしまうことはなく、過剰摂取になるとは考えにくいことがわかります。
では、ふたつめの検証です。
ふたつめは玄米食は消化が悪い?との検証です。
たしかに玄米は白米に比べて食物繊維が多いので、消化吸収はゆっくりで時間がかかります。
一方で、消化吸収がゆっくりなのは血糖値の上昇を緩やかにしたりする効果があるので、決して悪いことではありません。
しかし、玄米に芯が残った状態だったり、よく噛まずに食べれば、玄米に限らず当然ながら消化は悪くなります。
正しく炊飯してよく噛んで食べていれば、その心配はないでしょう。
みっつめは、玄米食は栄養が偏る?という検証です。
玄米はビタミン、ミネラルが白米よりも多く含まれていますが、極端に玄米しか食べなければ、もちろん栄養は偏ります。
他の食材にも言えることですが、それだけ食べていればよいというものはありません。
やはり食事は、色々な食材を食べることで栄養の偏りが起こらないことが良いといえますので、バランスよく食べることが大切ですね。
次に、今度はメリットとデメリットについて見て行くことにしましょう。
最初はメリットについてです。
玄米には白米に比べてビタミン、ミネラル、食物繊維といった体に必要な成分が多く含まれています。
成人女性が玄米ごはんを毎食200g食べると、補酵素として代謝に関わるビタミンB1やB6は食事摂取基準の1日分の推奨量をおおよそ摂取することができます。
また、強い抗酸化作用を持つとされるビタミンEや整腸作用や、生活習慣病の予防や改善に期待ができる食物繊維は、目標の半分以上を摂取できることになります。
特に注目したいのは、白米には含まれないビタミンEです。
ビタミンEは脂質の過酸化を阻止し、細胞壁や生体膜の機能維持にも関わる重要な栄養成分です。
欠食してしまったり、忙しくてつい食事を簡単に済ませてしまいがちな人にとっては、玄米は日頃の栄養不足を補う手段として大いに期待できる食材と言えます。
また、日本人の多くが不足している食物繊維を補えるだけでなく、「よく噛んで食べる」習慣を意識づけできることから、消化酵素の働きを助けて腸内環境を整えます。
更に、良く噛むことで顎や口腔の筋肉を動かすため、血流が増加します。
脳細胞の働きを活発にするなど、機能的にもさまざまなメリットが期待できます。
近年の研究により、フィチン酸や、γ-オリザノールなど、健康維持や美容に効果のある成分が含まれていることも分かってきました。
成分として特に多いのはマグネシウムです。
マグネシウムは海藻や魚介類、ナッツ類に多く含まれています。
マグネシウムは骨や細胞に必要で、排便を促す作用もある栄養成分で、不足すると不整脈や狭心症や心筋梗塞に代表される虚血性疾患などにつながります。
海藻・魚介・ナッツを食べる習慣がない人は、主食を玄米にするのがおすすめと言えるでしょう。
文献を漁るうちに玄米の効果を上手くまとめているものが見つかりましたので取り上げてみたいと思いますが、前述した部分と重複している場合がありますことをお許しください。
【美肌効果】
玄米には抗酸化物質であるフェノールとフラボノイドが含まれています。
これらの物質は次のようなリスクの防止に役立つとされています。
・フリーラジカル(対になっていない電子を持つ、不安定で反応性の高い原
子や分子)による細胞の損傷
・体内の炎症(体を守るために不可欠な防御反応)
・生活習慣病
・がん
・老化
また、玄米に含まれているビタミンB2・パントテン酸(ビタミンB群に含ま
れる物質)は、皮膚を丈夫に保つ効果があるといわれています。
【ダイエット効果】
ある実験では、肥満の女性を2グループに分け、同じ量の玄米と白米を食
べさせたところ、玄米を摂取したグループでは体重、ウエスト、ヒップの
周囲、BMIの減少がみられたそうです。
また、玄米に限った話ではありませんが、大規模な統計調査においても、
繊維の豊富な全粒穀物を食べる人の方が、精白した穀物を食べる人よりも
体重が少ないことが分かっています。
不溶性食物繊維が多いと噛み応えがあるため、満腹中枢が刺激されて食べ
過ぎを防げることが理由の一つと考えられます。
【心疾患リスク低減効果】
玄米には、心疾患のリスクを低減させるリグナンという物質が含まれてい
ます。
また、玄米に豊富に含まれるマグネシウムも血管を拡張させる効果をもっ
ており、心血管系の健康に重要な成分です。
【血糖コントロール効果】
食物繊維を豊富に含む玄米は白米と比較してGI値(食後の血糖値の上昇度合
いを示す指標)が低く、食後の血糖値上昇が緩やかな食品です。
食事中の玄米を白米と置き換えることで2型糖尿病(インスリンの作用不足
により、血糖値が慢性的に高くなる糖尿病のひとつ)のリスクを低減できる
という研究があります。
【悪玉コレステロールを減らす効果】
玄米に豊富に含まれている食物繊維は、胆汁酸の排出を促し、コレステロ
ールの再吸収を抑えることで、血中の悪玉コレステロール(LDLコレステロ
ール)を減らす効果があります。
また、玄米に含まれるγ-オリザノールは、コレステロールの吸収を抑える
効果があるといわれています。
それでは、玄米を食べることのデメリットについてはどうでしょうか。
玄米を美味しく炊くためには、十分に吸水して正しく炊飯する必要があります。
もし、時間がない場合は、前夜から冷蔵庫で浸水したり、お湯を使って吸水を促すことで浸水不足を補う工夫が必要です。
比較的吸水が早い「無洗米玄米」を使ってもみるのもおすすめです。
また、玄米はよく噛んで食べることも大切です。
歯の治療中や体調不良の方、消化器官が未成熟な小さなお子さんは、白米と混ぜて食べるなど消化吸収の状態に合わせて炊き方を工夫するとよいでしょう。
また、食物繊維の過剰摂取は、玄米食だけで起こることは考えにくいですが、オートミールやサプリメントなどの併用で食物繊維を過剰に摂取すると不調の原因となることがあります。
大腸への刺激を苦痛に感じたり、ガスだまりや残便感、または下痢などがある場合は、玄米だけでなく食事全体の食べ方を見直す必要があるかもしれません。
また、腸内で水分が不足すると便が硬くなることがありますが、水分不足がなければその心配はないでしょう。
このように、玄米のデメリットは正しく炊飯して、食べ方をきちんと理解していれば、その多くは解消できます。
ここまで玄米に関して見てきましたが、玄米は少しの手間と食べ方を工夫することによって、私たちのQOLの向上に大変貢献してくれる食物だと言えます。
玄米のメリットを活かしていただき、美味しい食事と健康的な食生活にお役立ていただければ幸いです。(ま)


