暮らしの中での A I 活用
さて、今回の話題は前回に続き A I について、特に「暮らしの中での A I 活用」についてのお話をしたいと思います。
生成 A I(人工知能)の進歩はものすごい早さで進化をとげていますが、先日の日本経済新聞の記事で、“なるほど、そんなことも!“ と思うような記事がありました。
「パナソニックホールディングスとPHP研究所が、創業者の松下幸之助さんを再現する A I(人工知能)を開発した」、というニュース記事です。
幸之助さんの頭脳や表情をよみがえらせることを目指したもので、質問を投げかけると、パソコンなどの画面越しに幸之助さんが回答してくれるそうです。
グループの研修に活用されるそうですが、幸之助さんの名言の数々をぜひ私も聞いてみたいと思いました。
中国では、故人を生成 A I の技術でよみがえさせる遺族向けサービスが急成長して、論争を呼んでいるとも聞きます。
今では、日本の技術でも、それができつつあるということですね。テクノロジーの進化は驚くようなことばかりです。
私が使用しているスマートフォン(Google Pixel)では、知りたいことを検索(ググる)と、一番最初に「★A Iによる概要」といった表示が出て、A Iが答えてくれます。凄いことですね!
また、スマートフォンに音声(口頭)で質問をすると、すぐに回答が返ってくる有り難いツールもあります。
皆さんも使っていらっしゃるんじゃないでしょうか。
以前の A I の回答は、間違っている情報も混ざっていましたので、当初は他の検索方法でも確認していましたが、今の生成 A I(人工知能)の精度は本当に良くなっていますね。その進化の速さは怖いくらいです。
とはいえ、今の時代は偽情報もいっぱいある困った状態になっていますので、情報の収集の基本はやはり、他の情報源も併せて確認することが大切だと思っています。色々な失敗を経験して、たどり着いた経験則です。
そこで今回は、A I の機能を備えたアプリやサービスの中で、私が実際にやってみて良かったものだけをいくつかご紹介させていただきます。
ご存知のアプリやサービスもあるかと存じますが、QOLの向上に役立つ情報もあるかと思いますので、どうぞお付き合いくださいませ。
まずは、Google レンズというアプリの紹介です。
Google レンズは、Googleが開発した画像認識技術で、散策時に見かけた名前の分からない植物や動物の種類をすぐに調べることができる、シニアにとっておすすめのアプリです。
また、目の前にあるもの、例えば、知らない街中のビルや風景、気になるアイテムなども、このGoogle レンズで撮影するだけで、何処の何という名称の建物か、服や雑貨などのアイテムは何処のメーカーのものかなど、簡単に知ることができます。
その他にも、多様な言語(外国語)で書かれた文章の翻訳や、公園などにある石碑に刻まれた昔の俳句なども説明してくれる優れものです。
ですから、私の趣味の一つである知らない場所の散策(街歩きと食べ歩き)などには本当に有り難くて、地図アプリとともに、今では私の一番のお気に入りアプリになっています。
次にご紹介したいものは、Speak(スピーク)という「AI 語学アプリ」です。
A I 語学アプリとは、生成 A I(人工知能)を活用した英語学習アプリですが、無料のものから、しっかりと学べる定額の有料のものまでいくつものアプリがあります。
実は、これまで長年にわたって英会話の習得に挑戦してきました。
書籍から始まり、ラジオ、語学学習テープ、英会話教室、ポケトークなど、手段を変えてはその都度チャレンジしてきましたが、情けない話、いつも数ヶ月しか続かず、初歩の段階で挫折していました。
ところが今回は続いています。(すぐ忘れてしまうので成果は別ですが・・)
会話の相手が A I なので、相手に申し訳ないと思うことも、恥ずかしいと感じることもありません。
おそらく今回、今までに無く一年間以上習慣化できている背景には、2025年4月13日から始まる、大阪・関西万博のボランティアをする、という動機付けがあるからかもしれません。
A I を活用した「学びやつながり」を支援してくれるサービスは、これからもいっぱい登場してくることでしょう。本当に素晴らしいことです。
そして、次にご紹介したいものは、ロボアドバイザー(ロボアド)というサービスです。皆さんはご存知でしょうか。
ロボアドとは、A I(人工知能)を活用して、個人投資家のニーズに合わせた資産運用を提案実行するサービスです。
投資初心者でもスマートフォンで手軽に資産運用を始められるので、最近では若年層の顧客がずいぶん増えているようです。
私も好奇心から、先のコロナ禍で支給された10万円で当時買った単元株を、少し上がったところで換金し、現在はロボアド最大手のウェルスナビという全自動の投資一任型で運用を行っています。
利用者の意向に基づいて、「長期・積立・分散」で最適な運用をしてくれるので、たまに金額を確認する程度で、相場状況が良くても悪くなっても一喜一憂せずともよく、ずっとそのままにしておくだけで運用できるのでなまくらな私にはぴったりなサービスです。
数日前の日経新聞に、三菱UFJフィナンシャル・グループが、このウェルスナビを買収する、というニュースが出ていましたので、それだけ魅力的な企業なんでしょうね。
シニアですので、大きな金額は運用できませんし、長期といっても限られていますので、多少のリスクはありますが、ポイントを貯めるのと同じような気軽さで試験的に始めてみましたが、意外と結果はプラスになっていますので、私の場合はこの方法が良かったようです。
その他にも、ぜひご紹介したいものがあります。元々デジタルには不慣れな私が今、日常的に対話型の生成 A I(人工知能)と呼ばれるものを、楽しんで活用しています。自分でもビックリします。
世界に衝撃を与えたニュースでしたので覚えておられるかもしれませんが、米 Open(オープン)AI が、対話型 A I(人工知能)「Chat(チャット)GPT」を公開して2年を迎えました。
現在では、世界で毎週 2億5000万人の方が利用しているそうです。
好奇心から発表の翌年にパソコンに取り込み、無料で使用できることもあって、今も継続して利用しています。
本当に驚いてしまうのですが、個人情報的なことや情報の少ない専門知識でなければ、現在の回答レベルや対処できる領域・機能がこの 2年で桁違いに良くなっています。
当初は、うそも言う知ったかぶりの大人、のような感じでしたが、今は、エビデンス(科学的根拠)を理解して答えてくれる研究者と言った感じです。
Chat(チャット)GPTを開くと、「お手伝いできることはありますか?」と聞きたいことを直ぐに書き込めるようになっていますので、やり取りの回数制限(無料版)はありますが、自然なやり取りがどんどんできます。
ですから、分からないこと、興味のあることなど、「質問の仕方を工夫」して投げかけると即座に自然な回答を返してくれますので、“壁打ち“ には最適です。
最近は、コーチングや対話などの言葉がよく出てきますが、ずっと付き合ってくれる気兼ねのない相棒みたいな感じです。
近頃は、各企業でも当たり前に、生成 A I(人工知能)を活用して、生産性を高めたり、業務効率をあげる取り組みが進んでいます。
例えば問い合わせなど、企業の窓口とお客様とのやり取りも、チャットというネットワークを使用したリアルタイムでのコミュニケーションが広まっているような感じがします。
LINE(ライン)はチャットツールの一つですので、多くの方が普段から使用していることもあり、文字を入力して会話を交わすことにそれほどの違和感は無いのかもしれません。
多くの業界が人手不足によって、DX化は待ったなしの状況ですので、これからはあらゆる場面で A I が活用された商品やサービスがどんどん登場してくると思われます。
そしてロボットなども、より人間型のロボットが開発されて、私たちの暮らしをサポートしてくれる時代になるでしょう。
それも楽しみですが、反面、適応していけるかどうか心配にもなります。
しかし本音を申しますと、シニアの私にとっては、どのような時代になろうとも、人間同志のつながりはなくしたくはありません。
愉快な仲間と笑って楽しくふれあい、たわいの無い話をする方が幸せな気分になります。また、電話をして大事な人の声が聴けると安心してホットします。
先日、気のおけない仲間との飲み会で、先輩が Chat(チャット)GPTを使っている、という話をされ、みんなから “エーそれは凄い!“ と感嘆の声が上がりました。
これくらいの雰囲気でこれからも世の中が楽しめれば、私たちのQOLはずっと、維持、向上できるのではないかと単純に感じた瞬間でした。
12月に入りいよいよ師走となりました。
どうぞ皆さま、飲みすぎ食べ過ぎにはくれぐれもご注意くださいませ。(ふ)