夏休みが教えてくれたこと
こんにちは。ウクレレ講演家・盲目のセラピスト亀ちゃんです。
今回は「夏休みが教えてくれたこと」というお話です。
私は「鍼灸と、あんま」の資格を取るために盲学校に通いました。
盲学校の勉強は想像をはるかに超えて難しく、毎日が勉強、勉強、勉強で覚えることばかりで、どうしても覚えきれないことが貯まってしまいます。
盲学校も中学や高校のように春休み、夏休み、冬休みがあって、初めての夏休みを迎えることになりました。
「これで、ようやく授業がストップするので、この夏休みの間に遅れを取り戻そう」と固く決心して夏休みに入りました。
でも、うっかりしていたら、あっという間に8月の31日がやって来ました。
夏休みの最終日の夕方「あぁ、しまった。まったく勉強ができていない。あれだけ頑張ろうと決意したはずなのに、何もできていない。しまったぁ、明日から夏休みだったら、オレ頑張るのになぁ」と、後悔の気持ちを持ったまま、2学期になり、また勉強に追われる
日々が始まりました。
そして1年が過ぎ、2年生の夏休みがやってきました。
「去年はとても後悔の夏休みになったので、今年こそは頑張るゾっ!」で、夏休みに入ったのですが、ふと気づけば、また8月31日。
「あぁー、またやってしまった。去年と一緒で、何もできていない。しまったぁ。
もし明日から夏休みだったら、オレ本当にほんとうに頑張るのになぁ…」と、また後悔ばかりの憂鬱な夜を過ごしました。
そして、いよいよ最後の年、3年生の夏休みがやって来ました。
「今年こそ、今年こそは頑張らなければ、本当にヤバイぞ。夏休み明けにはすぐに国家試験の模擬テストがある。もう去年の失敗はできない」とまたまた強い覚悟をしました。
でも、今回はすぐに考え直しました。
これまで、去年も、一昨年も、同じように「頑張るぞ」と覚悟したのに、何もできなかった。考えてみると、子供の時からずっとそう。
どうせ、また今年も8月31日に「明日から夏休みだったら、本気で頑張るのになぁ」と、きっと後悔しながら言っているのだろうな…と考えました。
そして、その強烈な後悔の気持ちを真剣に心に描き、憂鬱な気持ちを感じました。
すると思わず「あっ!」と声が出ました。
「明日から夏休みじゃん。今度は、本当にやり直しができる」と、考えることができました。
その気持ちを忘れないように、点字のメモに「あー、明日から夏休みだったらなぁ」と書いて、毎日、毎日その点字を触って8月31日を迎えました。
生まれて初めて後悔のない夏休みの最終日でした。
この考え方に後悔の先取り、『やり直し術』の名前を付けました。
当時50歳だった私が80歳の自分の心を先取りしました。
80歳の私は、今のような元気はないだろうな。動きも遅くなっているかな。夢も小さくなっているかも。
そして「あぁ、私の人生どうだったかなぁ? 思いっきり生きて来ただろうか?
やりたいことをやって来たかなぁ? もう30年若かったら、オレ頑張るのになぁ」と考え、「あっ、30年戻れた!」と考えることができ、それからやり直しの人生を送っています。
前に中学校で講演をさせてもらったのですが、ちょうど夏休み明けのタイミングだったので、この話をしました。
「例えば高校受験日の前夜、クラブ活動の試合や、大会のあとの気持ち、友達との人間関係など、一度その時の気持ちを先取りをして、今を生きて行ってみてはどうでしょう?」と。
生徒の皆さんから「先取りの話が、とても心に残った」と言ってもらいました。
そんな訳で、今回のこのメルマガの「送信ボタン」を押した後の心の声を「先取り」してみます。 にこっ! 幸せの入り口屋 亀ちゃん